本来食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」の削減を推進したとして、瀬谷西高校が国から表彰された。昨年度から進めている生徒たちの取り組みが高く評価されたもので、表彰式が10月30日に埼玉県で行われた。

　「食品ロス削減推進表彰」は環境省と消費者庁の制度で、効果的で波及効果の期待できる取り組みが選ばれる。今年度は全国から応募のあった１２８件を、審査委員会が審議。環境大臣賞や内閣府特命担当大臣賞をはじめとする受賞10件が決まった。瀬谷西高は食品ロス削減推進表彰審査委員会委員長賞。

　来年度に瀬谷高校と再編・統合する瀬谷西高は23年３月31日の”完校”に向けて、昨年度からＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）の学習を推進。３年生は全体事業として海軍道路での植栽活動などに取り組むほか、動物愛護や資源循環などテーマ別に16プロジェクトで学習を進めており、食品ロスもその一つだ。

　約20人の食品ロスグループはＡ・Ｂ・Ｃの３チームで活動。Ａは味や品質に問題は無いものの形や大きさで市場に出回らない規格外の食材を利用した料理に挑戦。野菜の皮などを土に埋めて微生物の働きで堆肥を作る取り組みも行った。

　Ｂのテーマは啓発。コンビニなどの食品の手前どりを促したり、賞味期限と消費期限の違いを説明するポスターを校内に掲示した。手前どりなどに関するアンケートも４回行い、実践具合を継続的に調べるとともに、結果を踏まえてポスターの貼り場所を工夫するなどした。

　Ｃは未開封の食べ物などを募って必要な人に届ける「フードドライブ」に取り組み、回収ボックスを校内と無印良品のジョイナステラス二俣川店に設置。集まった品を、（公社）フードバンクかながわに寄贈した。

　受賞について「各チームの皆が食品ロス削減についてしっかり考えて取り組んだからだと思います」と同グループの山本朝陽さん。鳴海富季さんも「私たちの活動を評価してくれて嬉しいです」と喜んだ。