戸塚区版 掲載号:2018年6月21日号
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第208回 男のおしゃれ学 「子どもの頃に食べたものは忘れられない」パリ本部FIMT国際デザイナー中嶌 敏男

 甘いお菓子など食べられなかった幼少期、母親が毎年3月のひな祭りになるとつくってくれる「くじら餅」。もち米に小豆やクルミが入っていて、甘く風味が良い。日がたって硬くなったものを焼くと、更に香ばしくなって美味しい。

 誕生したのは山形県新庄戸沢藩八万石の時代。干ばつや洪水、戦乱などで食糧不足だった当時、「久しく持ちが良い餅」と書き、生き抜くための食べ物としてつくられた。現在でも3月の節句の際には、女の子が無事に成長した祝いの餅として、最上町地方では歴史と伝統を受けつぎ食されている。今風に独特の技術を加え、最上町地方の名物としてお土産屋さんやお菓子屋さんなどで売られている。ゴマなど、なかに入れるものによって見た目も白や黒などに変わっていく。各家庭では味もそれぞれ工夫されるので面白い餅だ。

 筆者は田舎へ帰ると、子どもの頃の思い出を求めて「くじら餅」を買って帰る。

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