第216回 男のおしゃれ学 「デザインの文化」パリ本部FIMT国際デザイナー中嶌 敏男
「着ている物で人を判断するな」とはいうが、服装を見て職業や経済力、人柄や信用性まで読み取る習慣は今も根強く残っている。衣服は寒さをしのいだり暑さから身を守ったり、高級な服で見栄を張るなどいろんな効果がある。そんな衣服は、偶然によってデザイン化されたものが多い。
巻スカートは足元を寒さから身を守るために派手目の布地を巻いて歩いていた女性の姿がおしゃれに見えて流行した。ズボンの裾の折り返しがついたのは、泥が跳ねて汚れるのを避けるために裾を折り返してはじまった。
ジャケットの左の衿元に釦(ぼたん)ホールがあるのは、吹雪の時、襟を立てて釦をかけていたのが釦ホールだけ残った名残である。センターベンツやサイドベンツ(スーツの切れ込み)も、乗馬時に足が広げやすくしたのがデザインとして残っている。右胸に別の布地で胸当てがついているジャケットはハンター用の胸当てのパッチがついたのがデザイン化されたのである。
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4月18日