第230回 男のおしゃれ学 「掛け軸や家紋の絵柄」パリ本部FIMT国際デザイナー中嶌 敏男
藤沢から鎌倉まで10Kmを35分程度で走る「江ノ電」。平均時速が22Kmとゆったりで、走る車窓から湘南の海を眺めるのは絵の中に入った気分。短い時間ではあるが、今の時代から抜け出たようで心が落ち着く。
鎌倉に着くと、歴史ある街で観光客が行列をなしている。神社仏閣や店の奥にある掛け軸、家紋の絵柄に目が向く。西洋の紋章あるいは絵などは鷹や鷲、または猛獣の角、獅、剣といった強さを強調したものが多い。日本の家紋柄や日本画に多く描かれているのは、花鳥風月にちなんだ鶴と松、竹に雀、梅に鶯。一番多いのが日本的な桜や蝶といった四季感の植物と生物を調和して描かれている。これは、農耕民族の自然観の恵みを古くから感謝している表れではないだろうか。日本の障壁画や仏の一部、女性の着物の柄などにも表現されている。
鎌倉はおいしい店もたくさんあるが、このような見方をして散策するのも面白いものだ。
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4月18日