横浜市消防団 団員の減少、止まらず 災害時の対応に不安残す
5万人を超える死傷者が出た阪神・淡路大震災から今月で16年。大規模災害時などに消防署と連携して活動にあたる、地域消防団の役割がより重要視されている。しかし、市消防団の団員数は定数を大きく下回っており、今このときにも起こるかもしれない大災害への備えに不安を残しているのが現状だ。
市内では現在、中区以外の17区と、中区の伊勢佐木、加賀町、山手の20消防団が組織されている。
これらの市消防団ではほぼ毎年、団員の減少が続いている。平成15年度に8150人だった団員数は、翌16年度には8035人と大きく減り、17年度も改善が見られなかった。
これを受け、市では平成18年度から入団資格を「消防団管轄区内の居住」から、「区域内に居住、勤務、または在学」に緩和し、地域の大学や企業に通う人を消防団に取り込む方針を打ち出した。しかし、緩和初年度に8052人となったのを最後に8000人割れが続き、今年度時点では、7414人まで減少している。
現状、平時の活動に大きな影響は出ていないが、大震災などの際、消火や救助、避難誘導に必要な人数として市が算出している定数の8305人には遠く及んでいない。その理由について市消防局は「高齢化で退団者が増え、それを新規入団者でカバーできていない」と分析。また、消防団幹部は「消防団は、実質的には地域ボランティア活動」と話しており、地域活動に対する住民の参加意識低下も大きな要因となっている。
確保検討委を設置
厳しい状況を受け、市は更なる対策の検討に入っている。昨年末の12月20日には、6消防団長からなる団員確保検討委員会を設置。月1回のペースで話し合い、4月をめどに一定の方向を示す予定だ。
また、各消防署、消防団などでも、管内の企業や事業所、学校への訪問を強化。従業員における消防団員の割合が一定数以上になった企業には、消防団協力事業所の表示を認めるなどの取り組みを進めている。
現在、市消防団では、平成24年度からの70歳定年制導入を検討しており、若い世代の入団を進めることで、高齢化が著しい体制の改善もめざしている。
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