笠間に住む北鎌倉女子学園中学校2年生の尾城(おじろ)杏奈さんが、昨年12月1日から6日に横浜みなとみらいホールで行われた「全日本学生音楽コンクール全国大会」ピアノ部門中学生の部で1位に輝いた。好きなドビュッシーの前奏曲集第2集から3曲を演奏。「一音一音心を込めて丁寧に弾けたことが良かったと思う」と、受賞を喜んでいる。
同コンクールは1947年に毎日新聞社が創設し、今回が65回目。創設以来、日本のクラシック音楽界に数多くの人材を輩出しており、国内最高峰の学生コンクールとして知られている。
小・中・高校の世代別にピアノ、ヴァイオリン、声楽、チェロ、フルートの5部門(フルートは中学から/チェロ、声楽は高校から/声楽、チェロは大学の部あり)があり、全国5地区で行われる8〜9月の予選、10月〜11月の本選を経て、全国大会の出場者が決まる。尾城さんは東京地区本選を1位で通過し、全国大会への切符を掴んだ。
絵から音をイメージ
地元横浜での全国大会―。家族や友人らが見守る中、13人中8番目に演奏した尾城さんは、「前に演奏した人たちが皆上手くて、自信はなかった」と明かす。しかしピアノを前にすると「緊張せず一音一音心を込めて丁寧に弾けた」と練習の成果を見事に発揮した。
師事している日比谷友妃子先生の勧めもあり、全国大会の演奏曲に選んだのは、「幻想的で明るいところが好き」というドビュッシーの前奏曲第2集から「妖精は良い踊りこ」「ヒースの茂る荒れ地」「花火」の3曲。ドビュッシーの本を見るとクモの糸を綱渡りする妖精と、ヒースの花畑、エッフェル塔と花火の絵がそれぞれの曲のイメージとして描かれていた。それらを音で表現できるよう、イメージを膨らませて、練習を重ねてきた。
ピアノで人を幸せに
母親がピアノをやっていたこともあり、初めてピアノに触れたのは2歳ごろ。「とにかく楽しかった」と笑顔で話す。4歳からはレッスンを受け、笠間小学校に通っていた2年生の時、日比谷先生に出会った。
同コンクールには参加資格が得られる4年生から参加。翌年も参加したものの、どちらの年も本選への出場は叶わなかった。頭角を現したのは3度目の挑戦となる6年生の時。初めて全国大会まで駒を進めた。これまで数々のコンクールに出場しているが、この時の大会が「一番印象に残っている」という。しかし、全国での入賞はならず。悔しい思いを抱え2年を経て再び挑んだのが今大会だった。 日比谷先生が講師を務める北鎌倉女子学園中の音楽コースに進学し、二人三脚で腕を磨いてきた成果。結果が発表されると聴きに来てくれた先生、家族、友人が「おめでとうと言ってくれた」と笑顔がこぼれる。
サッカーをしている父や兄弟の影響もあり、趣味は「サッカー観戦」。中学でも1年生の時から体育委員にすすんで手を挙げるなど、活発な一面もある。それでも将来の夢はやはり、音楽の道。「コンチェルトを演奏してみたい。ピアノで人を幸せにできれば」
1月21日(土)には、サントリーホールブルーローズで行われる東京大会入賞者演奏会に出演する。
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