文化財保護ポスター 廣田さん(小山台中3年生)が最優秀賞 日高さん(同)も優秀賞に
神奈川県教育委員会による「文化財保護ポスター事業」の入賞作品が決定し、「わたしたちの文化財」部門で小山台中学校美術部に所属する3年生の廣田愛(ひろためぐみ)さんが最優秀賞、同・日高綺南(あやな)さんが優秀賞に輝いた。入賞作品は11月中、県内4会場を巡回する作品展で展示されるほか、廣田さんの作品はポスター化され、中学校や社寺、文化施設などに掲示される。
県内の中学生を対象にした同事業は41回目。文化財保護の普及啓発を目的にした「わたしたちの文化財」部門のほかに、2006年度からは鎌倉市も共催し、「世界遺産登録をめざす武家の古都・鎌倉」部門も設けられている。
今年度は両部門あわせて約110校から1200作品ほどの応募があり、「わたしたちの文化財」部門で36作品、「世界遺産登録をめざす武家の古都・鎌倉」部門で18作品が入賞した。
地獄の番人の迫力で圧倒
最優秀賞に選ばれた廣田さんの作品は鎌倉・円応寺の重要文化財「木造閻魔王坐像」が題材。インターネットで画像を見つけ、地獄の番人・閻魔の迫力に惹かれたという。色彩表現に苦労し、「絵具のチューブがたくさんなくなった」と廣田さん。コンクールへの応募は初めてながら、提出期限直前まで夜を徹して描き上げた力作で、最高の賞を手にした。
細部までリアルに表現
優秀賞の日高さんの作品は金色に光る鎌倉・長谷寺の「木造十一面観音菩薩立像」を題材にした。「細かい絵のほうが描きあげた後に達成感があって好き」と言い、細かな装飾も写真と見間違えるほど、リアルに表現。黄金の輝きは色の濃淡で表し、「難しかった」というスパッタリング(飛沫)技法を用いて放たれる光線を描いた。
「一緒に入賞、嬉しい」
小山台中から今回応募したのは入賞した2作品のみ。「2人とも入賞するとは」と、驚きながらも受賞を喜ぶ美術部顧問の山本芳子教諭は昨年、写実を得意としていた2人に応募を勧めた。昨年は提出期限までに仕上がらず、応募を断念。その後1年をかけて完成度を高めていった。「廣田さんは直前に頑張るタイプ。副部長も務める日高さんは他のコンクールでも入賞経験があり、技術が高い」と山本教諭。構図や色づかいなど個性に応じたアドバイスをおくったという。
小学生のころから一緒に漫画などを描いていたという廣田さんと日高さん。「一緒に入賞できて嬉しい」と受賞を喜び合った。
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