栄区振り込め詐欺 被害総額5600万円 すでに昨年の3倍近くに
栄区内で7月26日までに発生した振り込め詐欺の被害件数が昨年1年間の約2倍、被害総額は約3倍に上っている。手口のほとんどは親族を装った「オレオレ詐欺」。栄警察署(山地達也署長)では被害を未然に防ぐために金融機関や区民に注意と協力を呼び掛けている。
昨年1年間に栄区内で発生した振り込め詐欺の件数は8件、被害総額は約2千万円。7月末まででは4件、約1500万円だった。それに対し、今年の被害件数は14件で、すでに昨年1年間の約2倍、被害総額も3倍近い5600万円に上っている。
件数を月別に見ると1月に1件、3月に2件、4月に4件、5月に1件、6月に4件、7月に2件とほぼ毎月発生。また今年は、800万円や1千万円など1件当たりの被害額が大きく、被害総額を増加させる一因となっている。
栄警察署によると、これまでの被害者は60代から80代の女性。全員が親族を装った「オレオレ詐欺」だったという。手口のほとんどは「会社の書類や小切手の入ったかばんをなくした」というもの。親族になりすました度々の電話で「かばんの紛失を会社に知られたらクビになる。早急に金が必要」と危機感をあおって現金を用意させ、最終的には部下や同僚を装った人物が直接、金を受け取りに来る。
詐欺被害を水際で防ぐために銀行の窓口では、高額な現金を下ろす人に対し、使用目的の確認をしているが、犯人側が事前に「リフォームや車の資金」などと答えるように指示している場合も多く、詐欺かどうか判断が難しい。
生活安全課では「親族でも、お金を要求する電話がかかってきたら用心。一呼吸おいて」と話し、区内全ての金融機関に対して窓口に来た人の話をよりよく聞くよう要請、ATMの周辺にポスターを貼るなどして対策を行っている。
また、振り込め詐欺と疑われる電話がかかってきたという通報が区内から多い日には、県警の委託するコールセンターから各家庭へ注意を呼び掛ける電話をかけている。
6月には当事者が詐欺だと気付き逮捕につながった例もあるが、今後も被害が拡大する可能性があり、注意が必要だ。
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