栄区振り込め詐欺 総額8200万円の被害 前年の4倍超える
栄警察署(山地達也署長)はこのほど、昨年に区内で発生した振り込め詐欺被害額は前年の4倍以上、被害件数も3倍に上ったと、発表した。この状況を踏まえて同署は区内の金融機関との連携を強めるなど、被害防止に努めている。
昨年1年間に栄区内で発生した振り込め詐欺の件数は24件(うち未遂2件)、被害総額は約8200万円に上った。これは前年の8件、約2000万円を大きく上回る結果となった。
被害者のほとんどは女性。年齢は50代から80代で高齢者が多かった。手口の大半は息子や孫を装う男からの電話で「小切手の入ったカバンを無くして、困っている」や「妻以外の女性との間に子どもができて、示談金が必要」などと言われて騙される「オレオレ詐欺」。犯人に直接渡す手渡し型以外にも、電話でATMの操作方法を指示されて振り込んでしまう被害も発生している。
中には電話が来た時点で詐欺だと気付き、犯人逮捕につながったケースも2件あるが、同署生活安全課の担当者は「助けたい気持ちが先走って冷静な判断ができない場合が多い」と注意を呼び掛ける。
不審な場合は通報を
被害の拡大を防ぐため、同署では昨年10月から区内の銀行や郵便局との連携を強めている。具体的には、60歳以上の人が窓口で300万円以上の金額を引き出そうとした場合、必ず同署へ通報してもらい、詐欺ではないか警察が確認するように取り決めている。中には条件に合わない場合でも窓口担当者が不審に思って通報があることも。通報があれば、警官がすぐに現場へ駆けつける。実際に確認して詐欺ではない場合もあるが、未然に被害を防いだ事例もあったという。
さらに、これまでのチラシの折り込みやポスターによる呼び掛けだけではなく、今年に入ってからは区内全地区の回覧板に被害防止を呼び掛けるチラシを入れるなど、より一層区民への周知に躍起だ。
生活安全課の担当者は「ほとんどの人が振り込め詐欺の名前は知っているが、詳しい手口を知らない人は結構いる。被害の内容を知らせて、1件でも被害を抑えたい」と話した。
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