栄にぎわい寄席 公演重ねて100回 出演は「東の兼好」「西のかい枝」
「寄席サロン会」(藤間義人会長)が運営する「栄にぎわい寄席」が2月27日(木)の公演で、100回目を迎える。2004年の開始から約9年の歳月が経過。多くの落語家が出演し、中にはこの寄席での経験を経て真打ちに昇進した落語家もいる。現在では栄区外にもその名を広めており、毎月区外からの観客も訪れている。
気軽に落語を聞くことで落語を知ってもらい、地域に笑いの場を作ろうと2004年11月に「弁慶にぎわい寄席」という名称で開始した「栄にぎわい寄席」。2005年の6月には「寄席サロン会」が発足し、現在の名称に改められた。基本的に桂台南のそば処「弁慶」を会場に、月1回公演を実施。2月27日の公演が第100回となる。
当初の目的はまちの活性化や古典芸能の発信をすること。現在では区内外でも浸透し、落語と共に食事や酒を楽しむ客が毎月集まってくるという。藤間会長は「落語を聞きに来る人たちの中でつながりが生まれている。地域の活性化にも貢献しているのでは」と話す。
観客は主に、退職をした男性。常連客が多く、午後4時からと6時からの2部構成だが演題は変わるため、2部通しで聞く人もいるという。また、4時の部では炊事前の女性が訪れることも。時には小学生が見に来ることもあるなど、幅広い世代に親しまれている。
若手の道場として
区民へ楽しみを提供するだけではなく、若手の道場としての役割も果たしてきた。同寄席では、数人の二つ目が輪番で出演。その1人に前座を加えて、月に1度公演を行う。輪番で出ていた二つ目の中では、三遊亭兼好、三遊亭王楽、三遊亭萬橘といった落語家が真打ちに昇進しており、若手落語家が経験を積む良い場となっている。
長年続けて課題も
2007年に前会長から引き継ぎ、会長を務めてきた藤間会長。これまでには落語だけでなく、津軽三味線や紙切り師による切り絵も行うなど、観客が楽しめることを実施してきた。「開始当初の目的はある程度達成できた」と満足している部分もあるが、同時にマンネリ化といった課題も感じている。「100回目を機に休もうかとも思った」と話すが、毎月楽しみにしている多くの常連客のためにも継続を決意したという。
今後について「落語だけでなく、多くの人に楽しんでもらえるものがあれば、新たな要素も取り入れて長く続けられれば」と藤間会長は話している。
記念すべき100回目には、人気の三遊亭兼好と桂かい枝らが出演。過去の周年記念の時などには、栄公会堂といった大きな会場で開催したこともあるが、今回は同寄席発祥の地である「弁慶」で開催される。
問い合わせはそば処「弁慶」【電話】045・893・3600(午後2時〜7時)。
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