栄区民文化センターリリス(遠藤美彦館長)で9月10日、避難訓練コンサートが実施された。コンサートの途中で地震が起こったことを想定し、一般の施設利用者も参加。同所職員の誘導で避難経路を確認した。
震災はいつ起きるのか分からない―。2011年の東日本大震災を教訓に、昨年から一般の利用者も参加した避難訓練コンサートを実施している同所。今年は利用者約200人が集まり、職員と訓練を行った。
訓練では、コンサート開始から10分ほど経過したころに地震が発生。会場は停電して暗闇となった。利用者はそれぞれ職員の指示で頭を守るために身を屈めて座席で待機し、安全確認が終了してから職員の誘導で屋外へ避難した。
避難訓練終了後は、栄区出身のピアニスト・花田えり佳さんのコンサートを再開し、ピアノによる名曲の数々を堪能。また栄消防署の協力で起震車を用意し、震度7までの地震の揺れを体感した。
職員の1人は「お客さんもいたので、緊張感のある中で訓練ができた」と話し、「人数、演出含めて昨年の反省点を生かしてできた。勉強になる訓練だった」と振り返った。
職員によると、普段は開けることのない非常扉を開けての避難に対して利用者から「(非常扉が)どこにつながっているのか分かって良かった」などの声が出たという。その一方で、震災時には全国のホールでつり天井が落下した施設もあったことから「屈むだけで安全なのか」という不安の声も。3年前の震災では特に大きな被害が出なかった同所だが、今回の訓練であがった課題や反省点、利用者からの意見などを踏まえて、来年以降も同様の訓練を企画して震災に備えていくという。
遠藤館長は「やる回数を追って、新たな課題が出てきた。お客さんにとってもいざという時にとるべき行動を考える機会になり、良い経験ができたのでは」と述べた。
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