2014年に栄署管内で発生した振り込め詐欺の被害総額が約1億80万円、件数は27件(うち未遂1件)に上ることが分かった。この状況に対して栄警察署(伊東聡署長)では、パトカーによる広報や金融機関への呼びかけなどを強化し、被害撲滅へ努めている。
昨年、同署管内で発生した振り込め詐欺の被害額は前年の約8200万円から約1億80万円に、件数も24件から3件増加し、ともに前年を上回った。詐欺の手口では、前年も被害の大半を占めたオレオレ詐欺が19件と最多で、還付金詐欺と架空請求詐欺が4件ずつと続いた。
昨年末にも「現金の入ったかばんをなくした」という電話がかかってくるオレオレ詐欺の典型的な手口により、約200万円の被害が発生した。「現金や小切手の入ったかばんを置き忘れた(なくした)」というような電話からの被害が相変わらず多く、同署生活安全課の担当者は「『私は大丈夫』だと思っている人が騙されやすい。大事なお金の話を電話で済ますことはあり得ない」と、警戒するよう訴えている。
神奈川県警では2月を特殊詐欺撲滅対策推進強化期間として、予防や検挙対策を強化。県内各署で対策に取り組む。栄署では2月2日に出陣式を行い、同署のパトカーや栄防犯協会、栄区役所、戸塚法人会などの青パトが区内で被害の抑止を呼びかけた。
新たな対策も実施
今年に入ってからは、同署管内で振り込め詐欺の被害は発生していない(2月5日現在)。しかし、前述した強化期間である今月は、更なる被害の抑止に向けて栄署でもさまざまな対策を実施。1週目は本郷台駅前と大船駅前での通勤・帰宅時に高齢者の家族世代に向けた広報活動、2週目は銀行や郵便局など金融機関への呼びかけ、3週目は宅配業者やコンビニへの周知強化、最終週はバス・タクシー会社へ対策の呼びかけと、週ごとに方面を変えて対策を行う。
その中でも4週目のバスやタクシー会社への呼びかけでは、今年から新たに車内にも被害防止を訴えるポスターを掲示する予定だ。啓発物が昨年よりも多くの場所で区民の目に触れるようにすることで、区民の詐欺への警戒意識をより一層高めるねらいだ。
さらにタクシーの場合は、運転手から利用客へ声かけを行うように要請する。これまでにタクシーの利用客に不審な様子が見られた際に運転手が声をかけたところ、振り込め詐欺の手口だと判明して未然に被害を防いだ事例もあったことから、利用客の様子を見て不審な場合は話を聞いてもらうように注意を促す。同課の担当者は「このような事例は少ないかもしれないが、1件でも被害を減らしていくため」と話し、被害抑止へ向けて多方面から対策を徹底していく方針だ。
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