本郷小学校体育館とその周辺を会場に8月7日から8日にかけて、防災拠点における宿泊体験訓練が実施された。宿泊が伴った訓練を実施するのは区内で初めてのこと。当日は本郷小学校と桜井小学校の防災拠点運営委員会のメンバーや、2拠点の管轄町内会から35人が参加。夜間の避難所立ち上げなどの訓練に取り組んだ。
栄区では、区内20カ所の小中学校等を地域防災拠点に指定。昨年度から運用している防災計画では、市内1カ所以上で震度5強以上(気象庁発表)の地震が発生した場合、被災の有無に関わらず全ての同拠点を開設することに加え、各自治会町内会で自治会館などを活用した地域避難所を選定することを定めている。
今回は事前に運営の問題点をできるだけ把握し、実際に拠点や避難所を開設した際に役立てることを目的に訓練を実施。隣接した本郷小と桜井小の2つの地域防災拠点が、連携して訓練に取り組んだ。
避難時の状況を体験
訓練は7日午後2時から行われ、児童たちも含めてまずは起震車を体験。その後は大人だけ残って夕食をとってから、避難所の立ち上げや照明器具の設置、学校の見回り、町の被害情報収集の4つの班に分かれて夜間訓練を行った。
照明班は防災備蓄庫からガソリンや投光器、発電機などを運び出し、体育館に照明2基を設置した。組み立てが終わって真っ暗の体育館に明かりがつくと、参加者からは「意外と明るくないな」という声も上がり、災害時に停電した場合の状況を実感していた。
初の宿泊訓練に対して本郷小防災拠点運営委員会の原勉会長は「夜間は暑かったので熱中症は心配だったが水分を確保し、無事に終えて良かった。実際に避難した場合に、雑魚寝になる状況などを分かってほしかった」とコメント。桜井小防災拠点運営委員会の今野光芳会長は「初めて会う人がほとんどだったけど、皆協力してやれた。普段はあまりつながっていない地域の人とつながれたことも良かった」と感想を述べた。
区内では昨年10月、水害と土砂災害への対応として、行政が本郷小学校での避難所開設の指示を発令。同校では実際の避難者は出なかったが、近隣の本郷中学校では11人程度の避難があったという。
区役所総務課の担当者は「初の試みで課題も出てきたのでは。拠点間の連携ということでも意義があったと思う。良い部分は他地区にも紹介できれば」と話している。
栄区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|