東日本大震災の発生からもうすぐ5年が経過する。ボランティアとして昨年10月までに48回にわたって被災地へ赴き、3万枚を超える「たいやき」を焼いて避難所や仮設住宅などに届け続けた栄区小菅ケ谷在住の鈴木幸一さん(68)。現地で得た教訓を首都圏の減災につなげようと、このほど人命救助用機材「水陸両用レスキューカート」を2台制作した。
「三陸沖地震に伴う大津波の襲来は、大震災の発生以前から警鐘が鳴らされていました。今、首都圏は当時の東北と同じ状態にあると思います」と、指摘する鈴木さん。岩手県陸前高田市などでは、救助に動いた多くの消防隊員・団員が犠牲になった状況を踏まえ、「泳いでたくさんの人たちを救い出すのは無理です。このレスキューカートが配備されていたら、多くの命が助かったはず」と悔しがる。
被災地で実際に消防団員の息子が未だ行方不明になったままという母親の話を聞き、救助する側の対応策として「水陸両用レスキューカート」の制作を決意。旧国鉄で車両の修理に携わっていた経験と技術を生かし、8つの車輪と20リットルのポリタンクを15個装備した浮力300キロの第1号カートを約1カ月かけて完成させた。制作費用は約15万円で、材料は全てホームセンターで調達。動力は人力となるものの、子ども10人・大人3人程度が乗せられ、備え付けのパイプにつかまることで20人以上の”呼吸”を確保することも可能。
400キロの浮力を備えた第2号カートは、設計図を基に1週間ほどで完成。自費で搬送用の軽自動車も購入し、防災訓練や講演会場など、展示希望の声がかかれば、どこへでも出向くとのこと。
自治会や子供会単位で自作する場合は、設計図・部品表・工作方法を提供。詳しくは【携帯電話】090・8170・6337 鈴木さん。
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