高校総体女子バスケ 金総が13年ぶりに栄冠 エース負傷が原動力に
全国高校総体(インターハイ)の女子バスケットボール決勝が8月2日に行われ、金沢総合高校が大阪薫英女学院(大阪)を下し優勝を果たした。同校の優勝は、富岡高時代から通算で13年ぶり3度目。5日には林文子市長を表敬訪問し、優勝を報告した。
「最優秀殊勲賞は宮澤の捻挫だな」。星澤純一監督(60)は笑顔交じりに今大会を振り返った。準々決勝の聖和学園(宮城)戦、エースが負傷し一時退場した5分間をターニングポイントに、チームは大きく成長した。キャプテンに頼りきってはダメだ―監督、コーチ、選手は口を揃えて「あれで、チームが1つになった」と話す。
そして迎えた決勝戦。コンディションが万全でない宮澤夕貴主将を助けるかのように、まわりの選手が奮起した。フォワードの岡村郁美選手が27得点、2年の稲井桃子選手が17得点をとるなど、エースの不調を全員でカバー。第3クォーター以降に大阪薫英の猛烈な追い上げにあうものの、66―63で競り勝った。
宮澤主将は、「これまでワンマンチームだったけど、初めて一丸となって戦えた」と嬉しそうに話す。同校バスケ部のOGで、2004年のウインターカップ優勝メンバーでもある清水麻衣アシスタントコーチ(24)は「メンタルが弱いと言われてきたが、試合を重ね成長し、気持ちの入れかたがうまくなった」と選手たちの大会中の成長に目を細めた。
「公立でもここまでできる」
金総は、練習時間や場所に制約が多い県立高校でありながら、インターハイ16年連続26回の出場を誇る”名門”だ。また運動だけでなく、学業でも校内トップクラスという選手も少なくない。これは、星澤監督の「勉強をやらせれば、おのずとバスケもうまくなる」という言葉を実践しているからこそ。「生徒も先生もあきらめてしまいがちだが、公立でもここまでできるというメッセージを、勝つことで発信していかないと」。星澤監督は今年度定年を迎えるが、その魂は清水コーチへと受け継がれる。
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