10月にかながわ福祉みらい賞を受賞した 石原 奈美さん 釜利谷東在住 30歳
明るく強い「ひまわり」に
○…特別養護老人ホームで働き始めて10年。施設内研修の在り方について考察した研究発表が評価され、かながわ福祉みらい賞を受賞した。「節目の年にビックな賞をいただけて、とても嬉しい」と大輪の花がほころぶような笑顔を見せる。「毎日怒られていた」という新人時代を経て、介護支援専門員(ケアマネジャー)として、利用者とその家族、職員に至るまで広い視野で支える。「私は環境に恵まれた。皆さんに感謝です」
○…ホームヘルパーの母親の背中を見て育った。高校生で真剣に進路を考えたとき、真っ先に浮かんだのはやはり身近な福祉の仕事。専門学校を卒業後、地元に就職した。「毎日が新鮮で、『石原さん』と名前を覚えてくださるだけで、嬉しかった」と振り返る。介護福祉士を5年経験し、「死ぬ気で勉強した」ケアマネの資格試験に挑戦。「合格を知って、泣いちゃいました」。奇しくも同年、母親も同じ試験に合格。「仕事の話ができるので、母はよき相談相手。働くようになってより仲良くなりました」。今回の受賞も誰より喜んでくれたという。
○…思い入れのある利用者は山ほどいる。嬉しかったことも数えきれない。その一方で、避けられない「別れ」も数多く経験してきた。「寂しいですが、今、自分のできることを精いっぱいやらないと」。新しい利用者に一日でも早く、このホームを居心地がいい場所だと思って欲しい――その思いが前を向く力となる。
○…「この10年で、不得意分野を着々とクリアしているんです」と笑顔。自動車を運転できるようになり、苦手だったパソコンで仕事をし、利用者家族とのコミュニケーション力も向上した。「”こうなりたい”と思えるお手本の先輩がいるからやってこられた」。今度は自分が後輩の手本になれるように、と気を引き締める。目指すは明るくて強い「ひまわりのような人」。利用者という太陽を真っ直ぐ見つめ、成長を続ける。
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