母子家庭専用シェアハウス 市内初 西柴に開所 「地域のつながり」も共有
シングルマザーのためのシェアハウスが横浜市内で初めて西柴団地内に開所した。同団地で育った長嶺千里さん(50)が自宅を改修し、母子に住まいを提供。同じ境遇に立つ母親同士の悩みのほか、近隣住民とのつながりなど「コミュニティごと」シェアする試みだ。
母親同士の助け合いや、子ども同士で遊ぶ間に生まれるゆとりの時間が育児の負担を軽減するのでは―。暮らしを見直し、育児と仕事を両立させることを目的に「ペアレンティングホーム金沢文庫」は開所した。
仕掛け人は一級建築士の秋山怜史さん(33)。保育やシェアハウス事業に携わるメンバーと2011年、ペアレンティングホームを企画した。翌年、川崎市高津区に日本初となる第1号を開所。現在は関東に3軒あり16世帯33人が暮らす。
「近所付き合い」もシェア
「知り合いの母子家庭の食事風景が寂しく見えた。助け合えたらと思っていた」と話すのは長嶺さん。自宅から5分ほど歩いたところにある、所有する空き家を母子家庭向けに提供しようと考えていたところに秋山さんと出会い、事業参加に名乗り出た。
しかし当初予定していた空き家に欠陥が見つかり一時中断。利便性の良い物件をはじめ50件ほどを見て歩くも「ぴんとこなかった」。住環境を提供するだけでなく、入居者との関わりがほしかったという。「一番良いのは自宅だと思いついた」と笑う。妻と子ども2人と暮らす自宅があるエリアは家族同士の交流も盛ん。「気付くと隣の子がうちで夕飯を食べているような親しい関係。入居者に近所とのつながりも引き継ぐことができ、何かあれば間に入ることができる」。育児の先輩も多いコミュニティごとシェアできればという考えから、家族を説得。空き家を直し引っ越した。600万円と3カ月の期間を投じて改修した自宅は、2階の6帖から8帖の部屋に3世帯が入居できる。1階の居間や台所、風呂などは共有で使う。
これまでの物件はいずれも駅から近いビル棟のシェアハウスで、戸建ては今回が初めて。秋山さんは「選択肢が増えた。今後は街ぐるみで子育てをシェアできるようにしたい」と期待を寄せる。長嶺さんは「第2の実家になれば嬉しい」と話した。(問)【電話】045・323・9347(秋山さん)
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