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金沢区・磯子区 コラム

公開日:2015.01.08

物語でめぐる金沢
第一章 木槿ノ賦(むくげのふ)-居眠り磐音江戸双紙(42)文・協力/金沢図書館

  • 乱闘がくりひろげられた朝比奈切通し

 「居眠り磐音(いわね)江戸双紙」(佐伯泰英著/双葉社)は、山本耕史主演でNHKのテレビドラマにもなった人気時代小説シリーズで、現在、第47巻まで発表されています。



 この長編シリーズの第42作「木槿ノ賦(むくげのふ)」(2013年)で、主人公坂崎磐音一行は程ヶ谷(保土ヶ谷)から鎌倉へ向かって金沢街道を訪れ、朝比奈切通しで敵と戦っています。



 また、本編中に詳しく書かれてはいませんが、磐音の両親である正睦(まさよし)と照埜(てるの)夫婦は、金沢文庫から金沢八景にかけて観光しているようです。この周辺は観光地として、当時大変に人気がありました。



 江戸時代の後期に出版された「江戸名所図会」という、現在でいうところのイラスト付き旅行ガイドブックのような本があります。金沢周辺は「金澤勝景一覧之図」や「称名寺」「六浦上行寺」など17枚の挿絵が描かれており、現在の金沢八景駅近くにある「瀬戸明神社」など、今もその面影が残る絵もあります。磐音の両親が眺めたのも、きっとこの挿絵に描かれたような景色だったのでしょう。「居眠り磐音」を読みながら、一緒にこちらの本もご覧になると、磐音たちと一緒に旅しているような気持ちになるかもしれません。

 

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