季節の花【7】 梅雨の花「アジサイ」 妻の名をつけた学名 日本自然保護協会自然観察指導員金子昇(富岡西在住)
梅雨に濡れたアジサイは、みずみずしく美しいものです。「紫陽花」「八仙花」「紫繍毬」等の漢字で表すことがあり、中国原産のように思われますが、れっきとした日本原産です。
アジサイの原種は「ガクアジサイ」で、奈良時代から栽培されてきました。江戸時代に来日したシーボルトはアジサイの花を見て感激し、学名に日本人妻の名「お滝」をつけて、「ヒドランゲア オタクサ」と命名しました。注…ヒドランゲアとは、果実が壺形のため「水の壺」の意。
1740年代にジョセフ・ハンクスにより、ロンドンへ持ち込まれ、その後ベルギー、オランダ、フランスを中心に、新しく品種改良された様々な「西洋アジサイ」が生まれました。
4枚の大きな花弁状は「装飾花」といい、萼が変化したものです。生殖機能が退化しているため、種子はできません。原種のガクアジサイには、中央部に雌蕊と雄蕊を持つ小さな花の集まりがあります。また装飾花は、開花1週間余りは上向きに咲きますが、その後晴天や高温が続くと下向き(裏返し)になります。
日本の土壌は酸性土が多いので、青色系の品種は一般にきれいな青色に発色し、赤色系の品種はきれいな赤にならず、紫色系になりがちです。それに対しヨーロッパの土壌は、中性またはアルカリ性の土が多く、赤色系の品種は、見事な赤色に発色することが多いです。
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