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金沢区・磯子区 コラム

公開日:2015.07.09

季節の花【6】 畑の雑草「スベリヒユ」
50℃の温度でも平然と
日本自然保護協会自然観察指導員金子昇(富岡西在住)

  • 茎や葉は多肉質

 スベリヒユは日当たりのよい道端や畑、石垣等に普通に見られる草で、由来は果実の味がヒユに似て、茎葉に粘性があり、食べるとぬめりがあるためです。またマツバボタンと同じ仲間で、属名を「ポーチュラカ」といいます。ポーチュラカという園芸種がありますが、ポーチュラカはこれら仲間の総称です。



 別名が多く、茎が赤いので「酔っ払い草」や「飲兵衛草」、茎は赤、葉は緑、花は黄、種は黒、根は白からなるので「五色草」、また日照り続きの時には、貴重な食料となるので「日照り草」等と呼ばれています。



 茎や葉はサボテンのように多肉質で、乾燥や高温に耐える仕組みを持っています。畑では厄介な雑草で、引き抜いても枯れずに長く生きており、再び土の上に置けば直ぐに根づいてしまいます。収穫後しばらく放置した畑には、スベリヒユが一面に広がってきます=写真下。しかも水分や養分を土からどんどん吸収するので、作物はぐったりしてしまうほどの強害草です。



 また高温(55℃にも平然としていたという記録がある)や乾燥に強いのは、昼間は気孔を閉じて水分を逃がさないようにし、夜間に開いて光合成に必要な二酸化炭素を取り込み、翌日の昼間まで貯めておくことができる仕組みを持っているからです。

 

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