街路樹【3】 「ホルトノキ」 オリーブと間違えた平賀源内 日本自然保護協会自然観察指導員金子昇(富岡西在住)
「ホルトノキ」は関東沿岸部から沖縄、東南アジアにかけて生育する熱帯・亜熱帯性の常緑高木です。温暖な金沢区では富岡東、並木、幸浦、福浦などで街路樹として植えられています。
ホルトノキとは、「ポルトガルの木」という意味で、日本ではオリーブの木をポルトガルの木と呼んでいました。江戸時代に本草学者、蘭学者、発明家などで有名な平賀源内が、紀伊半島でこの木を見て、すっかりオリーブの木だと思い込み「日本にもオリーブの木が存在していた」と大感激しました。そしてポルトガルから来た木(オリーブの木)、つまり「ホルトノキ」と間違えて命名し、そのまま現在に至ったという経緯があります。確かに果実だけ見ると、オリーブの実とよく似ています=写真下。
古くなった葉は、赤く紅葉してから落葉していきます。1年を通していつも緑葉の中に、赤い葉が何枚か混ざって、遠くからも目立ちます。そのため神聖な木として古くから扱われてきたため、神社の境内に植栽され、また街路樹や庭木として利用されてきました。逗子市神武寺の境内にある「なんじゃもんじゃの木」は、このホルトノキを指しています。
夏に小さな黄白色の花をつけ、果実は緑色から黒碧色に熟し、食べられます。樹皮と枝葉は大島紬の染料に利用しています。
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