季節の花㉒ 「ドクダミ」は薬草 悪臭はブドウ菌まで目を回す 日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)
日陰地に群生する「ドクダミ」は、悪臭が強いので嫌厭されがちですが、薬効の高い草の一つです。古くから解熱剤、利尿剤、虫刺され腫物(膿を吸いだす働き)によく効くので、別名「じゅう薬」、また「医者殺し」ともいいます。名の由来は、「毒痛み」「毒をためる」からきています。
この悪臭は乾燥させると消えるので、「ドクダミ茶」にも利用されます。中国雲南省では、生の葉をそのまま薬として食べる習慣があるようです。西洋人にはハーブとして人気があり、花の形が十字形に見えるので、教会に植えられています。ドクダミの悪臭はアルデヒド系を含み、ヘクソカズラと共に、ブドウ菌までも目を回すほどだといわれています。
地下茎は縦横に長く伸び、地獄まで続いているという例えから別名「ジゴクソバ」、他に「シビトグサ」や「オナラグサ」等、ありがたくない名で呼ばれています。昔からスギナ、ヤブガラシと共に地下茎が地球の中心まで伸びていると思われ、草取りの困難な植物から「3大小僧殺し」の名がつけられています。
ドクダミの白い弁は葉が変化した苞で、花弁はなく、中央の穂状が花の集まりです。最近、「八重のドクダミ」や「斑入りのドクダミ」など観賞用として人気あり、年々楽しむ人が増えています。
次回は「ネムノキ」の予定です。
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