競技ヨーヨーの世界大会と国際大会でダブル優勝を果たした 高田 柊(しゅう)さん 横浜市立大学2年 20歳
”かっこよさ”体中で表現
○…両手でヨーヨーを自在に操りながら、バク宙で華麗に舞う――。世界でただ一人の技をひっさげ、4年前に初優勝を飾った世界大会で再び王者に返り咲いた。「前回はロンドン五輪の時。オリンピックイヤーに優勝できて嬉しい」と無邪気に笑う。その年に発売された自身モデルのヨーヨーにサインをねだられる場面も。「ヨーヨーのかっこよさを知らせたい」。体全体で表現し、魅力を伝えていく。
○…静岡県出身。小1の頃、父親が見せた技を習得したいとヨーヨーにのめり込んだ。競い合うように新たな技を覚え、練習会に参加して腕を磨いた。初舞台を踏んだのはそのわずか数カ月後。「恥ずかしがり屋で人前に出るのが嫌だった」。だが、技を決めた瞬間に包んだ歓声が「もっと見てほしい」と気持ちを掻き立てる。成果を試せるステージに魅せられていった。
○…「ヨーヨーを軸に生活が回っている」と笑う。得意だった中学体育のマット運動で、バク転を習得すると「両手が空くバク宙なら演技に生かせる」と猛特訓。「気付いたら地面の上だったり、顔面から落ちそうだったり」と苦笑い。父親と二人三脚で一年かけて形に仕上げた。世界で活躍するために英語力を極めたいと、横浜市大に入学。幅を広げるためにダンス部に入るなど、着々と武器を増やす。「防衛大の体操部で、前方半捻りを教わったことも」。日々、吸収したものをヨーヨーと組み合わせ、試し、修正しの繰り返しだ。日の目を見なかった技は無数。だが、やめようとは思わない。「ヨーヨーに触らなかった日は一日もない」
○…複雑な技が多いだけに、誰にも分かりやすく「凄さ」を伝えるのが信条。「こんなヨーヨー知らなかった」が最高のほめ言葉だ。子どもに魅力を伝えようと保育園も訪れる。幼い頃から夢中になった自身に重ね「親子をつなぐツールにもなる」とほほ笑む。「日本はまだおもちゃのイメージ。老若男女に浸透させたい」
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2021年1月14日号
2021年1月7日号