4月から金沢消防署長を務める 伊藤 賢司さん 金沢区泥亀勤務 54歳
信頼と使命、いつも胸に
○…約200人の署員を率いるトップに。金沢署での勤務は初めてで「歴史ある文化財や、山や海など自然が多くあり、バラエティーに富んでいる」と印象を話す。署員には仲間を信じる心や自信と信念を持って行動することの重要性を伝えた。「そのことが結果的に市民からの信頼につながる」。表情が引き締まる。
○…鎌倉市で育つ。子どもの頃は野球に熱中し、高校野球の指導者を目指したことも。「叶わなかったけれど」と振り返って苦笑する。学生時代、プール監視員のアルバイトで水泳訓練に励む隊員の様子や、横浜消防に勤める友人を見て、身近に感じていたのが消防の仕事だった。「人と直接ふれ合い、人の役に立てることがしたい」。この世界に飛び込んだ。
○…西消防署の警備担当課長時代に東日本大震災が発生。援助活動で被災地に向かった。「まちに船が乗り上げていたり、想像を絶する場面を見た」。凄惨な現場を目の当たりに。昼夜を問わず懸命に任務にあたる地元隊員の使命感に満ちた様子は、今も心に残っている。その後は消防本部の緊急対策課長や救急課長、警防課長などを歴任。大規模災害に備えた仕組み作りなどに尽力した。「現場の隊員がやりやすいように。気持ちは(現場と)一緒」。震災を機に再確認した仲間と心を一つにする信頼感を大切にする。
○…50歳を過ぎ、同窓会で再会した中学時代の友人とバンド活動を復活。月に一度はドラムを叩いてメンバーと音楽を楽しむ。「夏にライブをすることが目標」。仲間を大切にする姿はここでも変わらない。妻の実家が金沢区ということもあり、まちには縁を感じている。「歴史ある地域と区民を災害から守っていきたい」。信頼と使命を胸に、任務に邁進する。
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