金沢区や磯子区でも浸水や家屋損壊など多くの被害をもたらした台風15号。特に中小企業が集積する金沢区の幸浦・福浦のエリアの被害は甚大だ。いまだ全容は判明していないが、横浜市は12日、約400社、約750棟の被害発生が想定されると発表した(9月16日起稿)。
「放心状態でした」。建材部品メーカーの(株)山装の山田進弘代表取締役は台風後に出社した時の心境を振り返る。足の踏み場はなく泥や瓦礫が通路をおおい、倉庫だった社屋の1階の海側の窓と壁はすべて壊れていた。「保管していた商品は散乱しすべて廃棄に。車はワンブロック先の曲がったところまで流されていた」と振り返る。
市の津波のハザードマップでは、山装のある福浦2丁目に浸水を予想する青色はほぼない。山田取締役は「ここは大丈夫と思っていた。どう備えれば…」と話す。
一方、金沢団地協同組合によると、鳥浜町にも浸水はあったものの、操業を停止した企業は報告されていないという。
中小企業は死活問題
横浜市によると幸浦・福浦地区の浸水区域は約3・92平方キロメートル。壁に残った跡から約2mまで水位が達したと推測される。福浦の護岸1・3㌔の範囲で半分近くの約600mが損壊したという。そこに高波が襲い、海水が浸水したと思われる。
市は14日から大型土のうを崩れた個所に設置する応急処置を実施。今後は波の大きさや威力を検証した上で、速やかに対処したいとしている。
幸浦・福浦は中小企業が集積する産業団地。建物の損壊だけでなく、高額な機械やパソコン機器が塩水に浸かり使えなくなってしまう状態は、経営にとって死活問題だ。
横浜市は12日、横浜市金沢産業振興センター2階に横浜企業経営支援財団による「特別経営相談窓口」(【電話】045・788・9571)を設置。初日から資金繰りや支援についての相談が寄せられた。同地域の会員企業から成る横浜金沢産業連絡協議会の担当者は「地域と行政のつなぎ役として、出来る限りのことをしていきたい」と話した。
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