大道ふれあいむかし資料館で所有するクラシックカメラとその作品を展示する 鈴木 恭一さん 金沢区柳町在住 69歳
試行錯誤に”面白さと喜び”
○…フィルムの装填、焦点距離の調整などカメラ本体の改造から、ルーペで見てピントを合わせたり、太陽が出るのを待つという撮影時の手間――。100年以上昔のクラシックカメラで写真を撮るための、こうした試行錯誤や手間をこの上ない「喜び」と感じる。今回の展示を通して、そんな面白さや驚きを伝えたいと願う。
○…初めてオリンパスの一眼レフを買ってもらったのは中学1年。値段は2万4000円で、当時の月収にあたる高価な品だった。「親にはとても感謝している」。同じ趣味を持つ従兄弟と撮影にいったり、写真雑誌を見たり。カメラの世界にのめり込んだ。仕事が忙しく離れた時期もあったが、自然に身に着けてきた知識や経験、技術は、今も生きる。「必要に応じて得たものは忘れないですね」
○…20年ほど前、新宿の中古カメラ店に立ち寄り、1950年代のドイツのカメラを”きまぐれに”買ってみた。写真の出来に「こんなに撮れるのか」と驚いた。どこまで時代を遡れば、この写りを保てるのか――その衝撃と探求心が、ハマるきっかけに。全日本クラシックカメラクラブに所属し、先輩達にアドバイスを請うて腕を磨いてきた。「カメラが古いと写真の評価が甘くなりがち。それではダメで突き詰めないと」と求道者の顔を見せる。
○…年一回は写真を撮りに海外へ。妻も旅行に同行するが基本的に別行動。カメラはクラシック含め4、5台は持っていくという。「街の風景写真は撮るのも見るのも好きなんです」。海外では撮影中「とっても素敵ですね」とよく声をかけてくるとも。古いものを大切に使っていることを評価する文化が嬉しい。「きっとこれからも撮り続けるんでしょうね」
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