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金沢区・磯子区 人物風土記

公開日:2020.01.16

趣味の一環でパントマイムをはじめとする大道芸をする
遠見 幸蔵さん(芸名:ジーコ)
金沢区並木在住 69歳

誰でも楽しめる芸を

 ○…地域の子ども会から野毛大道芸まで、幅広く活動。仕事を続けながら、昨年は87回ステージに立った。パントマイムを始めたのは51歳。「初孫娘に好かれたくて」と笑顔。芸名も孫娘からの呼ばれ方が由来だ。「面白おかしくしたい」と独学でバルーンやジャグリング、マジックなどの技を習得した。全てを組み合わせた大道芸がジーコ流だ。ピエロ風のメイクをすることも多い。「一芸はない。だけどお客さんも巻き込んで楽しむのがモットー」と話す。

 ○…2011年3月、テレビで被災地の子どもの様子を見た。「何かしてあげたい」。すぐに大量のお菓子やバルーンを車に詰めて避難所を回り、6カ所で芸を披露した。以来毎年、被災地の保育園や地域サロン等を訪れる。夏には孫も同行する。今年も4、8月に訪問予定だ。

 ○…以前はスポーツに熱中。しかし38歳のとき、白血病の一種を発症した。「足が腫れ、握力もなくなった」。1カ月半ほど入院、体力も衰えた。そんなとき、全盲の女性のマラソンを見た。「とても元気をもらい、僕もまだまだ頑張ろうと思った」。陸上を始め、大会も多数出場。金沢区のロードレースの50歳以上5Kmの部で3連覇も。今も毎朝6Kmのランニングは欠かさない。「地域ではよく走ってる人ってイメージのが強いかも」

 ○…「手話で伝えられた感想がほとんど分からず、悲しかった」。次こそは理解したいとの思いで3年ほど前から手話を習う。「言葉を使わずに伝える点ではパントマイムと似ている」と面白さを話す。今ではステージの冒頭に毎回、手話であいさつをする。また最近は磯子区の施設で知的障害者にパントマイムを教える。「年齢や障害の有無にかかわらず誰でも楽しめる芸を続けたいね」

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