自身の作品をまとめた本「今を大切に君の人生だよ」を出した書家の 青山 珪香さん 金沢区並木在住 83歳
響く言葉 ”書”で表現
○…「だれもが読めて心に響くメッセージを伝えたい」――そんな思いを込めた、70年近い書人生で初の作品集が出版された。自作の文に加え、心が動いた有名な詩や歌からも言葉を選び、作品に仕上げた。「プロにだけ分かっても意味がない。一般の人、特に若い人に命の大切さを伝えたい」と話す。頭に浮かぶのは4人の孫の顔。「面と向かって言うとかではなく、書を通して感じ取ってほしい」と願う。
○…長野県長野市で生まれ育った。書の面白さを知ったのは、高校時代。書道の指導者のおかげだという。以来「なんとなく」続けていたが、新たな師との出会いが、さらなる書の可能性を広げてくれた。40歳前後で漢字・漢字かな交じり書を塩練心泉さんに、かなを中室水穂さんに師事した。「こういうのがあるんだ、と新鮮な気持ちになった。漢字ばっかりの世界にあきていたのかも」と振り返る。手本通りに書くばかりが書ではない――。自由な発想で書くことが楽しくてたまらなかった。
○…自身を「いろんなこと、やりたがり」と評す。書だけでなく速記や水墨画、篆刻、フラワーアレンジメントなど、様々なことに挑戦してきた。そんな色々な経験が、書の表現に広がりを持たせた。時には自作の紙に書いたり、絵を添えて表現したり。「これまでやってきたことが、最終的にすべて、書につながっているみたい」
○…コロナ禍で強いられる自粛生活にストレスがたまり、「時間があるのに書きたい気がおきない」とぽつり。動き回れる日を心待ちに過ごし、「海外でもう1回くらい個展をやりたい」と前を向く。「年を重ね怖さがなくなった」とも。築き上げてきた自信が、何を言われても揺るがない強さを支えている。
|
<PR>
|
<PR>