監督・音楽を手がけた音楽劇「一獣一彩」を6月26日にあーすぷらざで公演する 山崎 美奈子さん 金沢区釜利谷南在住 41歳
表現に悩み、表現に救われ
○…「地元出身の若い才能を多くの人に知ってもらいたい」――。そんな思いで監督・音楽を手がけた音楽劇「一獣一彩(いちじゅういっさい)」を6月26日に栄区のあーすぷらざで公演する。同区で10年ほど「劇団ぽかぽか」の音楽に携わったが、監督としては初作品だ。「この演者を前提に構想し、このメンバーだからこそつくることができた作品。日本語の美しさも感じてもらえたら」
○…出演するのはほとんどが劇団ぽかぽか出身の若手表現者たち。芝居や歌、和楽器演奏、映像制作などそれぞれの道で表現を続ける彼らに今回「やりたいことを精一杯やってほしい」と注文した。また今作はぽかぽか時代から二人三脚で歩んできた母が舞台監督を務め、娘の日陽さん(小6)が舞踊を披露し、美容師の妹もスタイリストとして初めて参加する。
○…栄区の上郷南小、庄戸中出身。豊かな環境の中で音や色彩への感性が育まれ、聴いた音をピアノで弾いたりしながら、小学生の頃から作曲を楽しんだ。また10代後半には演出家に弟子入りし、裏方を手伝いながら作品づくりの面白さにふれた。ただ、自己表現が苦手でいつもどこか生きづらさを抱えてもいた。「協調性がないんです」と笑うが、人間関係に思い悩んだ日々もあった。
○…母が代表を務めていた「ぽかぽか」に関わるきっかけは、第一子の死産だった。出産直前のことで「母として忙しくなるはずの時間がぽっかりと空いて、何もせずにはいられなかった」。そんな中で独学で制作した音楽作品は、思った以上に周囲から評価を受けた。それが少しずつ自信となり、今につながる。「たぶん音楽が自分のコミュニケーションツール。音楽を軸に人とつながり、アーティストとして確立していけたら」
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