発表会を11月19日に開催する金沢区木遣囃子連絡協議会の事務局長を務める 平野 清さん 金沢区釜利谷東在住 78歳
郷土芸能 次代への道筋に
○…地域の祭りを盛り上げる囃子や木遣り。だが、コロナ禍で祭りの開催すらままならず、披露する場は激減した。特に子どもたちへの影響は顕著だった。「練習も祭りもできず、やる気がそがれ続けることが難しかった」。だからこそ、3年ぶりの発表会に、「やっとできる」とにっこり。「太鼓や笛をやったことない子どもにも”楽しそう”と感じてもらい、少しでも郷土の文化を伝える子どもが育つ、道筋をつけられれば」と話す。
○…金沢区釜利谷で生まれ育ち、「離れることは考えたことがない」ときっぱり。少年時代は囃子に全く興味がなかったという。「お祭りの時のお囃子に、うるさいなーと思っていた」と笑う。29歳の時に、釜利谷宿郷土芸能保存会を設立することになり、声をかけられて嫌々参加したのが始まり。ところが実際にやってみると「どっぷりはまった」。今でも毎週日曜日の練習に通うが「不思議と飽きないね」
○…「地域で育ててもらったようなもんだから。現役の頃は何もできなかったから恩返しかな」。町内会活動をはじめ、参加する地域活動は数多い。小学校の見守りは、12年ほど続く朝の日課。グータッチで挨拶し自然と会話が生まれる。「学校に行きたくない」と泣く子どもの手をひいて、一緒に学校を行ったことも。子どもとの触れ合いの話に、「そりゃあやっぱり楽しいね」と目を細める。
○…地域は「古くからいる人はもちろん、新しい人が関わってくれないと機能しない」と話す。様々な活動をするのも、「つながりはどこで作れるか分からない」という思いから。お祭りがその一助になればと願う。「ただお囃子をやっているだけではなく、いざという時に助け合う道筋が出来れば嬉しい」
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