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公開日:2023.06.08
旧長濱検疫所一号停留所
海の公園に移築・保存へ
7月から解体予定
金沢区長浜にある国登録有形文化財「旧長濱検疫所一号停留所(厚生労働省横浜検疫所検疫資料館)」が海の公園に移築、保存されることが決まった。5月30日に開かれた横浜市会・常任委員会で報告された。国が移築後に市へ寄付。今後の活用方法などについては市が検討していく。
一号停留所は、コレラなどの感染症の疑いのある人を一時的に停留させる施設として1895年に旧長濱検疫所に完成。医師・細菌学者の野口英世ゆかりの地としても知られている。横浜最古級の貴重な洋風建築として2018年に登録有形文化財に指定され、現在は長浜の横浜検疫所輸入食品・検疫検査センターの敷地にある。しかし、同センターは23年度中に中区の合同庁舎に移転するため、一号停留所の存続が危惧されていた。
地元が保存運動
一号停留所の保存については、地元の野口英世よこはま顕彰会などが20年10月から保存を求める署名運動を開始。23年4月までに6601筆を集めた。また、21年と23年の2回にわたり、国と市に対して保存を訴える要望書を提出。保存活動に携わってきた同会の平山次清さんは「一号停留所は感染症の歴史上、重要な施設。近隣にある旧細菌検査室などとともに長浜で保存してほしいと活動を続けてきた。市は今後の運営もふまえ、住民からの意見を聞く場を設けてほしい」と話す。
5月30日の市会・常任委員会告で市は、地元や国からの要望を受け、20年から移転先などについて国との協議を行ってきたことや、今年3月31日に国と覚書を締結したことを報告。報告の中で国が解体、海の公園へ再構築し、再構築後に市へ寄付すること、解体、再構築にかかる費用は国が負担、維持管理にかかる費用は市が負担することなどを述べた。
また、今年7月から解体工事を開始。9月頃から海の公園(磯浜駐車場近辺)での再構築工事に着手し、今年度中に完成する予定。再構築後の活用方法について市は「文化財として地域に親しまれ、市民に開放できる施設を目指し検討を進めたい」とした。
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