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公開日:2023.09.21

県立金沢文庫
仏書の「里帰り」へ寄付募る
ふるさと納税を活用

  • 協力を呼び掛ける職員たち=写真上=、寄付は二次元コードから

 金沢北条氏ゆかりの博物館・神奈川県立金沢文庫=金沢区金沢町=が現在、かつて同館で所蔵していた文化財の購入を目指し、ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディングで寄付を募っている。目標額は450万円。貴重な資料の「里帰り」を目指し、協力を呼び掛けている。

 同館は現存最古の武家文庫と言われ、絵画や彫刻、古書などを所蔵する中世の歴史博物館。鎌倉時代の武将・北条実時がつくった武家文庫が起源とされる。現在の施設は貴重な文化財を後世へ伝えると同時に、その調査・研究を進める目的で1930年に県の施設として復興された。

 かつては金沢北条氏が集めた貴重な書物などの資料が収められていたが、鎌倉幕府の滅亡後、資料の一部は主を失ったことから売却・盗難などの影響で国内外に流出。かつては同館で所蔵していたものの、現在は所在が分からない資料も多いという。

 今回購入を目指しているのは「往生講私記」という仏書。同書は過去に公開された資料から、冒頭と末尾にかつて金沢文庫で所蔵していたことを示す「金沢文庫」印があることが確認されている。同印が記された書物の多くは日本語による和書や漢文で書かれた漢籍が中心で、仏書の例はとても少なく貴重な文化財の一つだという。

100周年へ向け

 開館100周年を迎える2030年には記念事業も企画予定。その際に同館ゆかりの文化財を少しでも多く展示することを目指し、8月から同書購入を目的にふるさと納税制度を活用した寄付を受け付けている。

 目標金額は450万円で、期間は11月2日(木)まで。県外在住者には寄付金額に応じて横浜・八景島シーパラダイスのアクアリゾーツパスなどの返礼品を用意。同書の購入が実現した場合は、県内外問わず1万円以上の寄付者を対象に、同書を中心とした旧蔵資料の調査研究結果について特別講座も企画する予定だ。

 同所学芸員の貫井裕恵さんは「地域に根差した文化財のお里帰りを皆さんと一緒に実現させ、間近で見てもらいたいです。ご支援をお願いします」と話す。詳細は同館ホームページなどから。

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