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金沢区・磯子区 文化

公開日:2026.02.26

家族をつなぐ手作りひな
金沢区並木の松本さん

  • 七段飾りを囲む松本さん家族。右側前から2人目が道子さん、左側前から2人目が極美さん、3人目が彩加さん

    七段飾りを囲む松本さん家族。右側前から2人目が道子さん、左側前から2人目が極美さん、3人目が彩加さん

 金沢区並木で99歳で一人暮らしをしている松本道子さん。1973(昭和48)年に手作りした七段飾りのひな人形を、今年も自宅で飾っている。

 2月14日、松本さんの家に一人娘の佐藤極美さん(68)をはじめ、孫、ひ孫、総勢9人が集まった。毎年1月下旬から2月上旬頃に母娘で飾り付けを開始。「春っぽくて明るい気持ちになれる」と近所の人たちや俳句仲間、週末になると家族が集まってくる。「なかなか一堂に介せないので皆が集まってくれるのがうれしい」と道子さん。娘が嫁いだ今でも「お嫁にいけなくなるから」と3月3日が過ぎると必ずしまうという。

 七段飾りは全長140cmほど。真多呂人形と呼ばれる人形の桐製の土台の溝にのりをつけて布を押し込む「木目込み」という技法で手作りしたもの。極美さんが中学生の頃、娘の健康や成長を願い、家事が終わった後、夜な夜な作り上げていった。17体の中でもお雛様の十二単衣を一枚一枚着せていた時のことを「よく覚えている」と極美さんは語る。ひな壇になった時は「大きいお雛様ができたことも、母が自分のために作ってくれたこともすごくうれしかった」と当時を思い出す。

 極美さんの長女・佐藤彩加さん(40)は、「年齢を重ねるにつれて、おばあちゃんが作ってくれたありがたみを感じるようになった。うちにはこれがあるのが自慢。我が家の家宝です」。半世紀を超え、子どもの健康を思う気持ちとともに受け継がれている。

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