ボランティアで、大震災の被災者にコントラバスを無償で届ける 鎌形 昌平さん 杉田劇場勤務 30歳
人と人とを繋いでいく
○…東日本大震災で楽器を失った被災者に、楽器を無償で贈る――音楽サークル「イマージュISOGO」が行っている活動に賛同し、所有するコントラバスを提供。今月、自身の手で宮城県気仙沼市の被災者に届ける。「15年くらい置きっぱなしになっていたものですが、話を聞いた音楽関係の友人たちが、弦の交換やメンテナンスなどをボランティアでやってくれたんです。多くの仲間たちの気持ちも含めて、被災者の方に届けてきます」。
〇…勤務先の杉田劇場は、チャリティーコンサートを開いて子どもと文化のためのコミュニティ拠点「cadocco(カドッコ)」の設立費用を寄付するなど、気仙沼市を積極的に支援。自身も2回、被災地を訪れている。「現地の方たちにとって、外から人が来ることは『被災地のことは忘れられていない』という意味で、とても嬉しいそうです。私もその一助になれれば」と、数ヵ月ぶりに訪ねる現地に思いを馳せる。
○…海老名市出身。小さいころは、ケンカ相手を叩いた後、叩いたことを後悔して自身が泣いてしまうような、心の優しい子だったという。コントラバスとの出会いは、高校のとき。友人に誘われて入った吹奏楽部で、なんとなく選んだ楽器だった。「最初は大きなバイオリンくらいしか考えていなかったですね」と苦笑い。在学中にめきめきと実力をつけ、洗足学園音楽大学に進学。卒業後、大学で助手として3年間勤めた後、杉田劇場に勤務。現在は、地域文化コーディネーターのチーフを務める。
○…今は、町田市で妻と2人暮らしだが「8月には3人になります」と、満面の笑み。休日は、同じ音大卒の妻と一緒に演奏することも。最近は家のインテリア替えに夢中で「暇があればIKEAに通っていますね」。信条である「人のために何かをするのが好き」の言葉通り、仕事でもボランティアでも人と人とを繋いでいく。
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