4月1日付で磯子消防署の署長に就任した 島村 彰久さん 都筑区在住 58歳
諦めず、考え続ける
○…従来からの木造建築密集地域対応に加え、大震災以降は津波などへの対応も急務となっている磯子消防署。そのトップとして、地域防災強化に取り組んでいる。自身初の署長職に、「責任の重さをひしひしと感じながら、喫緊の課題に早急に対応していきたい」。磯子署勤務は、２年前の副署長以来だが、「覚えていてくれた人も多く、『お帰り』と声をかけられたときは嬉しかったね」と、少し照れくさそうに頬を緩める。
○…今の仕事を選んだのは、小さいころに見ていた消防団の活動があったという。「実家のすぐ近くに火の見櫓があって、よく鐘の音を聞いたり、消防団が出動する様子を見ていたんだ。大変だけどみんなから褒められる姿に、憧れがあってね」。消防隊員となってから記憶に残っているのは、２年目に緑署で遭遇した米軍機墜落事件。「明らかに異常な音と飛び方をしていて、これは落ちるなと。指令が出る前に、もう出動していたよ」。現場には、巨大な穴が開いていたという。
○…出身は今も住む都筑区。住宅地と商業施設ひしめくイメージが強いが、「当時は一面畑と田んぼ、雑木林が広がっていたよ。当時を思い出せる場所は、もうほとんど残っていないけど」と、目を細める。温厚な性格の少年は手先が器用で、プラモデルや割り箸とモーターを使った工作に熱中した。中学では野球部に所属。大学では雪景色の美しさに魅せられ、スキー三昧の日々を過ごした。
○…現在は、妻と長男、長女との４人暮らし。趣味は街の散策と、家での家庭菜園。「値段だけなら買ったほうが安いんだろうけど、育てる楽しさとか、太陽の恵みを収穫するという感じがいいんだよ」と、にっこり。座右の銘は”諦めない”。「困難にぶつかっても、考え続けているとひょんなところで解決策が見つかるもの。その姿勢は常に忘れないようにしている」。署長として、磯子の課題に立ち向かい続けていく。
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