磯子区野球協会の理事長として、地域野球の普及に取り組んでいる 山下 昭さん 岡村在住 70歳
野球楽しむ場 守り続ける
○…8月開幕の秋季大会をはじめ、区内で活動する草野球チームの大会を主催する磯子区野球協会。その理事長を務める。「不況で企業チームではメンバーが集まりにくくなり、少子化で若い選手が少なくなってきている。だからこそ、大会を行い続けることで、野球の楽しさを感じられる試合の機会を増やし、普及を図りたい」。とても穏やかな語り口も、胸に秘める思いはとても熱い。
○…協会の活動に携わるようになったのは、30代半ば。区報に載っていた審判募集を目にしたことだった。いざ審判という役職を始めてみると、その奥深さにどんどんのめり込んでいったという。「私の判定1つで、試合の結果が大きく変わってしまう。高校生や大学生にとっては、それがその後の人生を変えてしまう場合だってある。そんな重圧を感じながらジャッジするのが醍醐味ですね」。そう語る表情からは、自信と誇りが感じられる。審判業務と並行して協会役員を務め13年前、理事長に就任。多忙を極める今でも、審判としてグラウンドに立ち続ける。
○…保土ケ谷区出身。野球好きな兄の影響で、始めはソフトボール、高校からは野球に没頭した。「厳しい練習の帰りに仲間と寄り道した甘味処の味とか、夏合宿で夜中まで語り合ったこととか、忘れられない思い出はたくさんあるよ」と目を細める。大学卒業後、日立製作所に入社。途中からは普及間もないころのパソコンを駆使し、設計や営業事務の自動化に従事。その専門性の高さから、定年を超えて65歳まで勤めた。
○…現在は妻と息子と3人暮らし。趣味のゴルフは、「審判と両方やるのが、体力的に厳しくなった」と休業中。今は仕事の傍ら、パソコンを使い、孫や家族を録画した映像の編集などを楽しむ。「磯子区から県、そして全国大会へと出場するチームが出てきてほしい。それが今の夢かな」。その視線は常に、遠く高いところに向けられている。
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