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港南区・栄区版 公開:2013年1月24日 エリアトップへ

1月29日から2月3日まで水墨画の展覧会を行う「華の墨絵会」会長 日高絹子さん(日高絹紅) 港南台在住 64歳

公開:2013年1月24日

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日高絹子さん(日高絹紅)

白と黒で世界を表現する

 ○…水墨画の同好会が発展した「華の墨絵会」で会長を務め、第15回となる展覧会を横浜市民ギャラリーで開催する。水墨画歴は約30年。現在は国際書画連盟常任理事も務め、港南台地区センターや港南台コミュニティハウスのほか、よみうりカルチャー横浜など様々な場所で水墨画やはがき絵などを教えている。

 ○…水墨画の基本はまず、対象を写実的にスケッチすること。しかし、実際に描く際は、スケッチしたものを1度自分の中に取り込んで、自分なりに消化して描く。その作業こそがアートであり、ただ写実的に描くのではない。さらに、余白を意識して構図を決め、敢えて細かく描かない部分を残す。「見えない線を感じること、無の中に有を見つけることが水墨画」だと語る。今もその探究心は尽きず、「ゴールがない。だからこそ続けられる」と熱い一面を覗かせつつも、穏やかな口調で語る。

 ○…「ストーリー性がないとつまらない」と花鳥風月を好んで描く。その中でも好きなのが鳥。鳥を描くことによって作品に物語が生まれる。自分の意思を入れると同時に、受け手に想像の余地を残す。また、色は極力使わない。1つの筆に濃い部分と薄い部分、水の部分をつくり、筆を寝かせた状態で描くことでグラデーションを彩る。そのほかにも、にじみやかすみ、五彩という墨の濃淡を使い分け、白黒の世界を鮮やかなものに仕上げていく。

 ○…一度描き始めると「寝なくてもいいし、食べなくてもいい」ほど集中する。時間は一瞬で過ぎてしまい、疲労も感じない。雑誌に連載を持ち、連日深夜から朝まで作業を続けるなど多忙を極めていた2000年の11月には、脳内出血で倒れたことも。原因はストレスと睡眠不足と栄養失調。そこまでやってなお、「頑張りすぎないことが大切」と語る。「今を維持し続けることが重要。続けることが難しいから」と晴れやかな表情で語った。

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