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港南区・栄区版 公開:2013年4月18日 エリアトップへ

港南台駅・本郷台駅開業40周年〜過去とこれから〜

公開:2013年4月18日

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開業当初の港南台駅周辺
開業当初の港南台駅周辺

 1973年(昭和48年)4月9日に、洋光台から大船まで根岸線が延長されてから今年で40年を迎えた。その延長に伴って開業したのが、港南台駅と本郷台駅。両駅の歴史を根岸線の歴史と共に振り返る。


 遡ること大正初期。その当時から既に、桜木町から大船への路線延長は計画されていたが、その際は保土ケ谷駅を経由することになり実現には至らなかった。また、終戦直後にも延長が計画され、この時は「桜大線」と呼ばれ、一部工事が始まったものの、国鉄(現JR)も戦後復興以外の余力がなかったため、またすぐに中止されてしまった。その後、根岸線と名称を変え工事を再開。64年には桜木町~磯子間が開通し、70年には磯子~洋光台間が開通。そしてついに73年、洋光台~大船間が開通し、大正初期からの桜木町~大船間の路線延長計画が完成した。


港南台駅


 現在、港南台駅の1日平均乗車人員は3万3307人(11年度調べ)。近年は徐々に利用者が減少傾向にある。もともと、65年頃まで、静かな山村であり、農業や林業で生計を立てる住民がほとんどだった港南台。もちろん当時は港南台という地名ではなく日野町と呼ばれており、日野町の山奥、行政区も南区で、「南区のチベット」という表現もあったほどの地域だった。しかし、その港南台にも55年以降全国的に始まった、住宅開発、特に団地造成の波が押し寄せていた。64年には、日本住宅公団による港南台地区100万坪の開発計画が持ち上がった。その際、開発に深く関わったのが港南農業協同組合専務理事(当時)の渡邉幸雄氏。渡邉氏はその功績が称えられ、港南台のダイエー脇に銅像が作られている。


本郷台駅


 現在、本郷台駅の1日平均乗車人員は1万9058人(11年度調べ)。栄区の玄関口である。戦前・戦中には周辺一帯に第一海軍燃料廠があり、軍需工業の高まりと共に多くの工場が建てられた。戦後、アメリカ軍に接収された第一海軍燃料廠の跡地が、67年(昭和42年)に全面的に返還。そこに現在の県警察学校のほか、市営・公団・国家公務員などの高層住宅が建設された。また、65年頃から80年頃にかけて、丘陵地を中心に大規模な住宅開発が行われ、住宅都市に大きく変貌。本郷台駅の開業で電車利用者が増加すると共に、宅地化も一層加速していった。


港南台の未来


 過去には、全国の街を対象にして行われている「住みたい街ランキング」でランクインしたこともある港南台。しかしその一方で、開発から40年が経ち、徐々に表面化してきている問題もある。開発以前から港南台を知る田邉義勝さんは「港南台は都市の中の限界集落化している」と問題提起する。開発当時、港南台に住み始めたのは子育て世代を中心とした30代から40代の人たち。それから40年が過ぎ、その人たちが高齢者となり、高齢者の街といった様相も見られるようになっている。


 おそらく、日本中の多くの街が抱えているであろうこの問題。ただ黙って見ているのではなく、その街ごとに適切な対応策を取ることが求められている。港南台の場合は「規制緩和が必要」と田邉さんは話す。


 現在港南台地域は、土地の容積率や建蔽率、高さ制限、用途制限など厳しい規制がかかっているが、これを緩和することで、子育て世代を中心とした若い世代が住めるようになる。そうすると、人口が増加し、にぎやかな活気のある街になっていくと訴える。


 また、港南台において特に規制緩和が有効なのは、上下水道・電気・道路・公園などのインフラ整備を既に開発時に行っていることが理由として挙げられる。商業的な面で見ても、駅前には髙島屋や港南台バーズ、ダイエーに相鉄ローゼンがあり、医療面でも地域中核病院である横浜市南部病院があり、横浜南部地域の中核になりうる地域。また、もともと開発時には、計画人口約4万6千人を見込んでいたのに対し、13年3月31日時点での人口は約2万9千人。未だに空地のままの学校予定地が3つあるなど、まだまだ多くの人たちを受け入れるだけのキャパシティがある。


 さらに田邉さんは、港南台の今後に関して「栄区との共同事業が鍵」とも話す。栄区民は港南台駅を利用する人も多く、より利用しやすいように環境・施設などを整えていく必要があるという。もっと言えば、羽田空港からも遠くない立地を生かして、全国から港南台に来てもらうことを考えることも重要になってくる。


 港南台の今後について田邉さんは「人に優しい街づくり」が重要になってくると語る。生まれてから死ぬまで、安心して暮らせる街にすること。小さな子どもを育てやすいことや、障害を持った人も暮らしやすい環境づくりなど、地域住民と行政の意識改革の必要性を訴える。開業40周年は、1つのきっかけに過ぎない。

開業当初の本郷台駅
開業当初の本郷台駅

京急百貨店

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