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公開日:2016.01.14

齊藤区長
「区民の熱い思いを再確認」
新春区政インタビュー

 2016年の港南区政について、本紙は齊藤貴子港南区長=写真=にインタビューを実施した。齊藤区長は今年度中の策定に向けて進めている「第3期港南区地域福祉保健計画」のほか、健康づくりや防災など区政全般について考えを語った。(聞き手/本紙・佐藤信彦)



 ―昨年はどのような1年だったでしょうか。



 「昨年は『いつまでも元気に、イキイキと過ごせるように』と健康づくり、仲間づくりが一層進んだ1年になったと感じています。ウォーキングやまち歩き、ラジオ体操など、日々の生活の中で自分に合ったペースで行い、また、仲間と楽しみながらと、地域全体での盛り上がりとなりました。



 安全安心についても、災害時を想定した医療機関などとの合同訓練や障害者団体参加の訓練、また、地域・警察署との防犯パトロールの充実など、さまざまな団体と協力し合いながら、着実に一歩進んだ取り組みができました。地域の皆さんの多方面にわたる活動とご協力に心から感謝申し上げます」



地域福祉保健計画



 ―今年度中に地域福祉保健計画を策定し、新年度にスタートします。まず、この計画について教えてください。



 「誰もが住み慣れた地域で安心して生活できるよう、お互いに支え合う関係を充実させ、地域をみんなでより良くしていくための羅針盤と言える計画で、取り組み内容を示すものです。区全域の『区計画』と15地区の連合・社協エリアごとの『地区別計画』の2部構成となっていますが、福祉や保健分野だけではなく、防犯や防災、まちの美化活動、お祭り・イベントなど、日常的な地域の取り組みすべてが計画の対象です。



 5カ年計画で2006年度から始まり、今回が第3期となりますが、第1期、第2期に続いて『ふだんの くらしを しあわせに』との基本理念を合言葉に、『自分の地域をどんなまちにしていきたいか』と、丸2年かけて、ほんとうに多くの話し合いがされてきました」



 ―区計画の状況は。



 「区内で様々な活動をされている団体の代表の皆さんとこれまで6回にわたり、かなり踏み込んだ話し合いを重ねてきました。『知る』『つながる』『できることをやる』『支えあう』といった共通テーマ4つと、『健康づくり』『高齢者』『障害児・者』『子ども・青少年』といった分野別テーマ4つに分け、誰が、どのように取り組みを進めていくかをまとめています。計画が皆さんの身近なものとなるように、そして分かりやすい内容で、さらに一歩ずつでも協力が進むようにと、さまざまな工夫を込めて取り組んでいます」



地区別計画は確定



 ―一方、地区別計画は。



 「地区ごとの特性を踏まえた取り組みを示すものです。策定にあたっての話し合いには区役所や区社会福祉協議会、地域ケアプラザの職員も参加させてもらい、全15地区で昨年12月までに内容が確定しました。



 各地域では、多くの皆さんの声を取り入れるために様々な工夫がされてきました。人の集まるお祭りでのヒアリングや全住民へのアンケート、大人に交じって小学生も参加する意見交換会の開催、地区広報での計画づくりのPRなどです。『地域を良くしたい!』『もっと多くの皆さんに知ってもらいたい!』と、計画づくりを通じて皆さんの熱い思いを再確認できました。これまでと比べても区民の皆さんの愛情のこもったプランになったと思います」



 ―今後の策定スケジュールと、計画達成に向けた意気込みを。



 「3月12日(土)に開催する『元気な地域づくりフォーラム』で、皆さんと共有できるようにと最終的な詰めをしているところです。会場では募集していた計画の愛称の発表とともに、分かりやすくまとめた計画冊子も配布する予定です。これまで話し合ってきたことが、ひとつひとつ実を結ぶように、これからも協力し合い、着実に進めていきたいと思います」



「元気なひまわり咲かせて」防災、区民との協働に意欲



阪神・淡路から20年



 ―防災面はどのように充実させていきますか。



 「今年は阪神・淡路大震災から20年が経過し、東日本大震災から5年を迎える年になります。いざという時に備えて準備を重ねています。災害時の医療体制を想定して、昨年10月には南部病院と港南台病院で区内初の災害医療合同訓練が実施されました。港南区医師会・歯科医師会・薬剤師会や災害時救急病院などの協力・連携が一層進みました。



 さらに今年は、3日分の食糧や水の備蓄、家族との話し合いなど、自治会町内会の掲示板に掲示されている『港南区防災5カ条』をご家庭でも浸透させていきたいと考えています。また、トイレの確保も重要です。断水や排水管の詰まり、破損など、トイレが使えない時の対策として非常用トイレパックなどの備蓄も呼び掛けていきます。



 震災直後は、家族や地域が団結協力して声かけや安否の確認など災害と向き合い、助け合っていかなくてはなりません。防災をもっと身近に考える機会を作りたいと、1月27日(水)午後1時から、港南公会堂で防災講演会を開催します。阪神・淡路大震災で実際に救助活動をした神戸市職員による講演や、防災トランプを使った楽しいワークショップを体験することができます。申し込み不要ですので、ぜひ、ご来場ください。



 4月には災害時の対応をまとめた『港南区防災ガイド中学生編』(仮称)を全中学生に配布し、来年には小学生編の配布も予定しています。これらを使い、授業に役立ててもらうほか、自分の身は自分で守るということや地域で活躍する意識を育て、また、家族で話し合うきっかけになればと考えています。



 震災だけではなく、短時間豪雨についても『土砂災害警戒情報』が発表された場合には、直ちに『港南区臨時中央総合避難所』を港南地区センターに開設することにしました。各自が情報収集の上、早めの避難行動をとっていただくよう、よろしくお願いいたします」



歩いて健康づくり



 ―昨年はウォーキングを推進し、健康寿命を延ばす取り組みを進めました。



 「65歳以上の区内高齢化率は26・3%(15年1月時点)と、18区中4番目の高さで、今後も高くなる一方です。元気で変わりなく生活するためにもウォーキングがおすすめです。



 よこはまウォーキングポイント事業では、申し込んだ方に歩数計を無料配布していますが、すでに1万人以上の区民の皆さんが参加されています。11月に区を挙げて開催した港南ふれあいウォーキングには500人が参加しました。



 また、ヘルスメイトの皆さんが作成したウォーキングマップ『ひまわり港南ウォークⅤ』や、昨年リニューアルした『ふるさと港南のまち自慢ガイドブック』を片手に歩いている方もいらっしゃいます。どちらも区役所や区民利用施設にありますので、歩きながら地域を知り、『ふるさと港南』を感じ、人との出会いにもつながればと思います」



注目される「協働」



 ―協働の活動も引き続き進みました。



 「今年度で3期目を迎えた『学び舎ひまわり』は、地域の皆さん、区職員合わせて受講生が100名を超えました。区外からの視察もあるなど、港南区の宝である『協働』が、他地域からも注目されています。



 また、区の花ひまわりを縁に交流している宮城県大崎市が昨年9月に浸水被害に見舞われた際、約138万円の義援金が集まりました。皆さんの温かい気持ちと一緒に大崎市長にお届けしましたが、今後も素敵な交流を続けていきたいと改めて感じたところです。



 環境活動としては、廃食油を回収し、燃料に再利用してCO2削減を図る取り組みも一歩前進しました。『こうなん子どもゆめワールド』での回収は2年目でしたが、前年を上回る350リットルとなりました。さらに、野庭住宅連合自治会や芹が谷連合自治会の一部では定期回収する取り組みも新たに始められています」



新たな子育て支援



 ―待機児童の状況を踏まえ、子育て支援策は。



 「年々、保育園への入所希望が増えています。10月時点の区内待機児童数は7人でしたが、入所定員の確保とともに、きめ細かな相談を保育・教育コンシェルジュをはじめ、職員が丁寧に行っています。一方、小学校入学後に放課後をどのように過ごすのか、不安に思っている保護者の方も多いと思います。そこで10月から実施した新1年生対象の就学時健診の時に相談会を試みました。保護者、関係者ともに好評のため、今年は区内全21校の協力のもとで実施していく予定です」



昨年は区民が活躍



 ―昨年は港南区民の活躍も目立ちました。



 「全国大会に出場する小・中・高校生など、今年度は11個人、5団体を激励するために訪問しました.前向きで頼もしい話を聞け、毎回元気と勇気をいただいています。南台小学校のダンス、下野庭小学校、小坪小学校のマーチングバンドは、金賞に輝きました。さらに、横浜文化賞文化・芸術奨励賞には笹下中学校出身の若手ヴァイオリニスト、毛利文香さんが選ばれるなど、本当にうれしい話題が続いています。これからも若い力の挑戦や可能性を応援したいですね」



17年3月から新庁舎



 ―新区庁舎の整備は。



 「現在建設中の新区庁舎は、17年3月から業務が始められるように準備を進めています。耐震性を持ち、震災時は災害対策本部としての機能が担えるように整備をしています。17年4月以降は、公会堂を閉鎖し、建替工事に入る予定です。整備中はご不便をおかけしますが、ご協力をいただければと思います」



 ―皆さんの胸にひまわりのバッジが付いています。



 「区職員9名の職場改善活動チームの発案で『ひまわりバッジ』が生まれました。区の花ひまわりのPRのほか、バッジには職員が担当する窓口番号を表示しています。新区庁舎に移った際には、窓口番号や配置も変わります。来庁された皆さんに分かりやすくご案内できるようにとの準備にもなっています。バッジは上大岡にある中途障害者地域活動センター『ワークアップ港南』の皆さんに作っていただきました」



 ―区民にメッセージを。



 「『港南区に住んでいてよかった!』と思っていただけるように、さらに次代を担う子どもたちにも『ふるさと港南』と感じてもらえるように『協働による地域づくり』を港南区民の皆さんと一緒に進めてまいります。明るく元気なひまわりを、笑顔とともに咲かせて、幸多い1年にしましょう。本年も、どうぞよろしくお願いいたします」

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笑顔で区政を語る齊藤区長

 

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ひまわりバッジ

 

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