県立金井高校(栄区金井町)3年の中野隼斗さん=写真=が5日、沖縄市で開かれた全国高校総体(インターハイ)の男子棒高跳びに出場し、5m10の記録で2位タイに輝いた。高校生活で初のメダルといい、「これまで頑張ってきたご褒美なのかな」と笑顔を見せた。
同大会の昨年、一昨年の1位記録は「5m」。顧問の尾崎孝教諭によると「5mは高校生の一流選手の1つの基準」という。だが今年の決勝はその高さを6人が突破するハイレベルな争いとなった。
中野さんの自己ベストも5mだった。だが決勝では2回続けて失敗。追い込まれた中だったが、「跳んだことのある高さ。過去の自分に負けたくないし、跳べるはず」と気を取り直し、ラストチャンスでバーを越えた。勢いに乗ると、大舞台で自己ベスト更新となる跳躍を見せて表彰台に達した。
春先のケガ乗り越え
中野さんの最大の武器はポールを使いこなす技術とスピード。尾崎教諭は「ポールへの力の加え方がうまく、最大限に反発力を引き出す」と話す。また短距離は2年冬に100m11秒2を記録するなど部内一を誇るという。
棒高跳びは小田中学校(金沢区)時代に顧問の勧めで始めた。先輩もいなかった中で工夫を重ねる日々だったが、関東大会で3位入賞、全国大会にも出場を果たした。
高校でも順調に記録を伸ばしながら全国にはもう一歩届かず、それゆえ最後の夏にかける思いは強かった。だが3月に肉離れを発症してしまう。普段は明るいムードメーカーも、5月の県大会前に灯った黄信号に「頭が真っ白になった」。
そんな時に支えてくれたのは日々の練習記録や顧問のアドバイスが綴られた「陸上ノート」だった。「これまでを無駄にしないためにも、今できることを考えてやろう」。その時期の経験は精神的な成長にもつながった。
秋には国体への出場を控え、さらに大学でも競技を続けるつもりだ。「自分は筋肉量がまだまだ足りない。そこを強化して、もっといい選手になれたら」と目を輝かせる。
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