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港南区・栄区 人物風土記

公開日:2025.02.06

「うたの会」をはじめ観音堂を地域のために開放している西福寺の前住職
西海 秀晃さん
上大岡東在住 69歳

寺は昔から地域のもの

 ○…6年前に西福寺観音堂が完成し、義兄の保秀樹さんと「地域のためになることを」と話す中から始めた「うたの会」。このほか、地元町内会と共に健康に関するイベントを複数開催する。町内会館以外に住民が集まれる場所があることを喜ぶ声も多い。「寺子屋のように寺は昔から集会に使われてきた。当たり前のこと」と笑顔で話す。

 ○…大学を出て一般企業に就職した。しかし29歳の時、当時住職だった実父が亡くなる。「闘病していたものの、想像より急だった」。寺は継いだが、師弟関係の系譜である「法(ほう)」を継げず心残りに。僧になったのが父の死後で、別寺の住職を師とした。「生前は『いつかは寺に』と思ってはいた。しかし会社が好きで戻らなかった。申し訳ない」と肩を落とす。住職になると「宗教離れが進む現代社会、檀家だけでなく地域にも目を」と考え、「開かれた寺」を目指した。また、港南LCで奉仕の心を学び、地域貢献への意識はさらに磨きがかかった。

 ○…趣味はベース演奏。2年前に檀家に誘われバンドを結成した。高校時代を過ごした70年代はフォークブーム。自身もギターを弾いていたため、ベースも難なくこなす。現在は関内のライブハウスなどで活動。「機材をそろえて、観音堂で演奏会をやりたいですね」と構想は膨らむ。

 ○…1年ほど前、「住職になって40年」を機に職を息子に譲った。息子には「好きにやればいい」としつつも「『地域への感謝』『地域あっての自分』の考えは受け継がれていると思う」と方針の継承を期待する。また、新たに保護司会にも入った。「住職は辞めたが僧は辞めてない。やるべきこと必要とされることは何でもやる」。穏やかだが力強く語った。

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