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港南区・栄区 人物風土記

公開日:2025.07.31

NPO法人港南歴史協議会の会長に就任した
陶山(すやま) 誠さん
野庭町在住 79歳

歴史を知り、街を愛す

 ○…港南区の郷土史の調査、周知、保存に取り組む港南歴史協議会の3代目会長に5月、就任した。9月には自身が講師を務める講演会の開催や出前講座の準備、史跡調査など多忙だが、活動へのモチベーションは高い。「実務的なところは会員に助けてもらいながら、会長として方針をしっかり示せるように自分の考えを発信していきたい」と意気込む。

 ○…出身は広島県。「読書が好きなおとなしい子どもだった」と自身を評する。中学生の時、郷土史に詳しい教員の授業で「地元が鎌倉幕府の御家人によって開発された土地だと教えてもらった」。これが歴史に興味を持つきっかけに。「当時は視野が狭かったが、知識を得ることで幅広い視点を持てるようになった」と楽し気に語る。

 ○…大学卒業後は金融機関に就職。転勤で全国を転々としたものの、「愛着が持てるから」と配属先の郷土史調査は習慣化。30代の時には歴史好きを買われて社史の編纂を任されたことも。「当時創立30年の歩みを主に同僚と書き上げた。『調べて、まとめる作業』が協議会の活動に役立った」と誇らしげ。

 ○…半世紀前に港南区に家族で転居した。「家を留守にする時間が長く、地域の歴史を全く知らないことに気づいた」と67歳で協議会に入会。8年前には区の石仏に関する本を執筆、上下巻を出版した。「協議会加入当初、街歩きに参加した時にメンバーからの石仏に関する解説が少なかったので調べ始めた」。制作時には自らシャッターを切る力の入れようで、「日の当たり方など時間によって違う表情を見せるのが魅力」と微笑む。今後については「石仏の破棄を防ぐために定期的な見回りを始めた。史跡の保護にも注力する」と方針を示した。

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