先日、編集室宛にある郵便物が届いた。中に入っていたのは、被災地での救助活動から帰還した緊急消防援助隊の本紙のインタビュー記事の切り抜き。添えられた手紙には「私も20数年前、仙台で2年ほど仕事をしておりましたので、人ごとではない気持ちでいっぱいです」。「何とか少しでもお役に立つ様に」と現金30万円が同封されていた。
郵便物の送り主は中区内で飲食店を経営する長島薫さん。長島さんは20年程前、仙台市内で中華料理店を経営していた。「私も2年間働き、娘たちも学生生活を過ごした街。仙台には恩がある。第2の故郷だと思っています」。地震発生後、テレビに映る変わり果てた現地の映像に、心が締め付けられる思いだったという。「お店をやっていなければすぐにでも現地に行きたいと思った」。テレビや週刊誌から情報を得ることしかできない状況に歯がゆさを感じていた長島さんが手にしたのは、被災地へ緊急消防援助隊の神奈川県隊として派遣された中消防署員の記事だった。身近な地域の消防署からも現地へ派遣されていることを知り「署員の方の活躍に本当に頭が下がる思い。私も第2の故郷のために少しでも役に立ちたいと思った」と話し、今回の寄付という行動につながったという。
長島さんによる支援金は当社を通して、仙台市災害対策本部へ寄託した。
救援隊の活動の記事を見た長島さんの寄付と激励の手紙を受け中消防署では感謝の意を伝えようと、現地の救助活動に行った署員が長島さんと対面し、現地の様子を報告した。
当日は神奈川県隊として仙台市や石巻市に派遣された佐藤茂雄さんと牧野暁さんが、現地での活動の様子を、写真ともに細かに報告。「現実とは思えない光景だったが、弱音を吐く者はいなかった。とにかく自分たちの任務を果たすことに徹した」と語る二人の隊員の話に、長島さんは深く頷き、「ぜひこれからも被災地への支援、地域のために頑張って頂きたい」と話した。
「これからは被災地の子ども達の生活支援を考えている」と話す長島さん。「落ち着いたらぜひ仙台に行きます」。故郷への想いを新たに、笑顔を見せた
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