本牧小学校の20周年式典で演奏を披露した同校出身のピアニスト 中野 友裕さん 中区本牧和田在住 28歳
音楽の楽しさ届けたい
○…「15年ぶりの学校で楽しかった。演奏を聴いて子どもたちが少しでも音楽に興味を持ってくれたら」。本牧小学校で３日に行われた20周年式典で、卒業生としてピアノを演奏。２年次に同校に転入し、３年生の時には「かながわ音楽コンクール小学校低学年の部」で最優秀賞を受賞。同校５周年で同窓会からピアノが学校に寄贈された際にも式典で演奏を披露した。
○…神戸に生まれ、３歳で横浜・保土ケ谷へ。ピアノを始めたのは４歳の時。「当時はピアノが好きというよりも、電車で教室に通うのが楽しかった」と柔らかな笑みを見せる。本牧小に来てからも、雨の日の休み時間は音楽室に直行。「音楽の先生がとても理解があって、ピアノを自由に弾かせてくれたり、音楽の楽しさを教えてもらいました。あの経験があったからこそ、今の私があると思います」。中学からは私立に進み、ピアノも個人教師に師事。その後は、かながわ音楽コンクール中学校の部最優秀賞、日本クラシック音楽コンクール高校生の部全国大会入選などの成績を収め、08年に東京藝術大学音楽学部を卒業してプロの音楽家として歩み始めた。
○…「ずっと育った横浜で音楽活動をしたい」と横浜みなとみらいホールや山手西洋館で室内楽を主催。また、自分が小学校の時に学んだ音楽の楽しさを子どもたちに伝えようと「横浜少年少女合唱団」の指導スタッフも務める。「自分もまだまだ夢の途中ですが、子どもたちには音楽に限らず、夢を持って熱中できる何かを見つけてもらいたいですね」とエールを送る。
○…山頂公園から街を眺めるのが好きで、今でもよく散歩する。ロードバイクが趣味なアウトドア派の一面も、「『転倒したら大変』と周りからは叱られます」と笑う。夢はみなとみらいホール大ホールでベートーベンの協奏曲「皇帝」を弾くこと。本牧小校章にあるカモメのように自由で雄大な演奏が今から楽しみだ。
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