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中区・西区・南区 文化

公開日:2016.06.16

オモチャやまざき
「子どもの成長が嬉しくて」
半世紀の歴史に幕

 「男の子は大きくなっても顔があまり変わらないからすぐ分かるの」そう笑顔で語るのは「オモチャやまざき」=中区本郷町2丁目49=の店主・山崎二三子さん(76)=写真。惜しまれながらも同店は6月26日をもって閉店する。

 長野県木曽郡の出身で、26歳で結婚し、中区に移り住んだ。義兄がおもちゃの問屋を営んでおり、それを引き継ぎ夫とともに本郷町のマーケットで玩具店を始めた。今の場所に店を構えたのは46年前。マーケットと合わせて約50年の歴史をもつ老舗だ。6年半前に夫が亡くなってから今日まで一人で店を切り盛りしてきた。

 子どもが好きで、店に通っていた子どもが大人になって街で声を掛けてくれるとうれしく感じるという。穏やかな人柄だが、店内でケンカをする子どもたちを叱ることもしばしば。優しく、そして時に厳しく子どもたちを見守ってきた。親子2代で店の常連という人は珍しくなく、さらに3代続いて店に通うご近所さんも。

 夫が亡くなってから5年で店を閉めるつもりだったが、地域の住民に支えられ今日まで営業を続けた。「もう歳だから」と閉店を決めてからは、子どもの頃に常連だった人たちがあいさつに訪れる。また、本郷町商店街の顔なじみのメンバーが山崎さんのために送別会を企画しているという。地域の人々に愛されて46年。「あっという間だった」と語るが、その歩みは住民たちの記憶の中で輝き続ける。

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