中区・西区・南区 人物風土記
公開日：2025.06.26
一般社団法人横浜竹林研究所（ハマチクラボ）の代表理事を務める
小林 隆志さん
中区山元町在住 55歳
母のメンマで広がる縁
○…「自分の意志に正直に生きたい」と今春、長年勤めた大手飲料メーカーを早期退職。加えて中区山元町で物件を借りてカフェをオープンした。６月25日には、自身が代表理事を務めるハマチクラボで横浜の幼竹を使った今年の「ハマのメンマ」の販売を開始。「少しずつ数珠つなぎで広げてきた縁のおかげで、様々なことが形になってきた」と話す。
○…転機は５年前のコロナ禍真っただ中。移動時間なしの在宅ワークになり、飲み会の回数も激減ことで、「家族との時間が増え、改めてその大切さを感じた」。そこで、「発達障害の娘の居場所になれば」と週１回、店舗を間借りして娘の名前を冠したシェアカフェ「こころぷれいす」を開始。母親が営んでいた南区永田町の惣菜店の黒コショウが効いた名物メンマも提供した。「愛された味を後世に残したかったんです」
○…２０２２年には「美味しく食べて竹林整備！」を掲げる国産メンマプロジェクトに出会い、その美味しさに衝撃を受けた。「何より活動している人たちが魅力的だった」。翌年、横浜での活動を進めるためハマチクラボを設立。放置竹林の整備やその竹を使ったメンマ作りに着手した。今後は、会社員時代に培った経営の視点を生かし、竹を活用した新商品開発や他業種との連携なども思い描く。
○…常設のカフェにして、何より嬉しかったのは、地域からの「ここにお店を開いてくれてありがとう」の声。「間借りでやっているときには感じられなかった、喜びがある」とほほ笑む。ハマチクラボの拠点としても活用し、出会いを生む場にもなっている。信頼する妻とかけがえのない娘との大切な居場所が、自身も住む町内の活性化にもつながればと願う。
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