中区・西区・南区 人物風土記
公開日：2025.07.10
６月１日付で横浜市中区薬剤師会の会長に就任した
深澤 仁さん
中区山下町在住 57歳
地域の健康相談窓口に
○…約90の薬局が所属する中区薬剤師会の会長に就任。長年副会長として同会の運営に携ってきた中「コロナ禍で顔を合わせられず、希薄になってしまった会員同士の関係性を再構築していきたい」と思いを語る。医薬品の供給不足を補うためにも、会員間での在庫の共有は喫緊の課題。横の連携を強化しながら「地域住民に貢献できる薬剤師会を」と力を込める。
○…熱海市出身。実家は干物屋を営む。高校２年生の担任教諭に誘われるがまま化学を選択したところ、気が付いたら進路先が医大か薬科大かの二択になっていたという。「長男だけど、親は薬剤師なら平日は保健所で仕事して、土日に干物屋を手伝ってもらえばいいと思っていたみたい」。しかし、卒業後は製薬会社へ就職。関東エリアのトップ営業マンとして活躍した。
○…26歳で第一子が誕生したのが転機に。「バブル全盛期でゴルフや飲みに明け暮れる毎日。これでは子どもに仕事って言えないなと思って」。若さゆえの行動力もあり、同じ薬剤師の妻と一緒に「人口が多くドライブコースで馴染みがあった」中区に夫婦２人の名前を合わせた「ひとみ薬局」を開業。高齢者に特化し、薬から介護用品まで幅広く扱うほか、元街小の学校薬剤師や在宅訪問、大好きな地元・熱海の観光ＰＲも精力的に行い、多忙な毎日を送る。
○…来年で開業30年。「知り合いも縁もなかった横浜で薬剤師会を通じて繋がりができた。先輩方には経営など色々と教わった」と感謝。街の薬局として心がけているのは「地域の健康相談窓口」でいること。「医療現場の形態が年々変わる中、患者との距離が近い昔ながらの薬局が求められている。処方箋調剤だけでなく、日頃から気軽に相談してもらえたら」
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