中区・西区・南区 人物風土記
公開日：2025.08.07
『関内かわら版』を創刊した関内シニアクラブ編集部のチームリーダーを務める
山上 智さん
中区在勤 76歳
探究心で、我が道進む
○…中区・関内の歴史や文化を紹介するフリーペーパー『関内かわら版』を発案し、チームリーダーとして取材や編集を行う。古代史研究家や聖徳太子の書を解読する作家としての知見を生かし、地元スポットの謎を深掘りする「歴史ミステリー」や自ら監修する聖徳太子の占いコーナーなど独自の視点で紹介。「まちの新たな魅力が見つかる地域情報紙になれたら」と笑顔を見せる。
○…神奈川区出身。高校時代、友人と寺に泊まった夜、幽霊を見たという。「腰を抜かして頭は真っ白。でも怖さより虜になってしまった」。自分が見たものの正体を知りたいと大学には進まず、心霊研究者の小田秀人氏に弟子入り。３年間カバン持ちを務めた後「自分の道へ進め」と渡された30万円を手に四国八十八ケ所霊場や坂東三十三観音の旅へ。寺社で古文書の解読を頼まれるようになり、30歳で古代史研究家になった。
○…取材中も歴史から童謡、神社の謎まで「ミステリー」にまつわる話が次々と飛び出す。「ＡＩの時代だなんて言うけれど、また本や新聞といった紙媒体に戻ると思う」。そう強く言えるのは、長い歴史を研究する中で、流行り廃りの波を人一倍見てきたからこそ。かわら版と並行してシニア世代のためのクーポン紙などほかの紙媒体も企画中なのだとか。
○…シニアクラブの副会長を務めるほか、大分県宇佐市など日本各地に残る歴史を散策する「歴史泊」の活動をしながら地方を活性化する団体「横濱ＵＳＡの会」を主宰。忙しい毎日でも、寝る前に映画を１、２本見ることは欠かさない。「物語の内容以上に、役者のセリフやロケ地がどこなのかを分析しながら見ている。映画鑑賞は趣味というより、勉強になるんですよ」
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