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公開日:2025.08.21
校歌の旋律つなぐ
平沼高同窓生らがコンサート
横浜平沼高校の小ホールで7月27日、創立125周年記念事業のプレイベント「校歌史タイムトリップ」が開催され、約160人が来場した。卒業生の音楽家や現役生らが出演し、校歌や音楽を通じて世代を超えた交流を深めた。
第1部では同校の校歌を作曲した幸田延(のぶ)について対談が行われ、音楽プロデューサーの瀧井敬子さん(62期)と、作曲家の二宮玲子さん(75期)が登壇した。
延は、明治の文豪・幸田露伴の妹。クラシック分野で日本初の作曲家として数々の曲を生み出したが、歌曲は平沼高校の校歌が唯一の作品だ。滝廉太郎の代表作『荒城の月』と校歌の出だしが同じなのは、滝が延の教え子だったことが縁だといわれる。
『運命』と同じ
瀧井さんは、延がピアノ・バイオリン奏者として明治政府が派遣する初の「音楽留学生」になったこと、帰国後に音楽学校の教授として多くの音楽家を育成したことなどの偉業を称え、「当時の一流の音楽家が平沼高校の校歌を作った。私たちが歌いつなぐことで日本の音楽文化をつないでいくことになる。大切にしましょう」と呼びかけた。二宮さんは、校歌の音楽的構造について「短調で始まり長調で終わる(ベートーベンの)『運命』などと同じ構造。交響曲の手法を取り入れた画期的なメロディー」と解説した。ピアニストの榎本智史さん(108期)は「延の曲を知ってもらうきっかけになれば」と話した。
思い出の音楽を披露
第2部では、還暦前後の78〜80期生を中心とした音楽コンサートを開催。元劇団四季の歌手・吉岡小鼓音さん(79期)がプロデュース・司会進行を担当し、高校時代に演奏した曲を思い出のエピソードとともに、合唱や各期生のソロ、アンサンブルなどが披露された。最後は、元応援団の須藤尚紀さん(78期)のエールと、卒業生と現役オーケストラ部の演奏による校歌の合唱で、会場が一体になった。
オーケストラ部の部長を務める亀ヶ谷葵さん(2年)は「代々受け継がれている校歌を先輩たちと一緒に演奏して、もっと大事にしたいと思った。伝統を受け継いでいきたい」。元東京フィルハーモニー交響楽団クラリネット奏者の万行千秋さん(79期)は、旧友との再会を喜び「本当にタイムトリップした気分。校歌も高校時代は暗くて難しい曲だとばかり思っていたが、素晴らしい歴史があることを初めて知った」と話した。
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