南区 人物風土記
公開日:2014.07.17
ボーイスカウト横浜第1団のビーバー隊隊長として活動する
内山 泰さん
大橋町在住 88歳
子どもを見守る現役隊長
〇…ボーイスカウト(BS)活動が認められ、今年度は県内で3人だけ選ばれた功労章の「たか章」に「長くやっているからだけだよ」と謙遜する。小学校低学年までの子どもが活動する「ビーバー隊」の隊長を1992年から現在も務める。確かな記録はないが「全国で一番高齢の隊長ではないか」という。
〇…「戦争ごっこが一番の遊びだった」という少年時代。10歳で歯科医の父が団長を務めていた「横浜松影少年団」に入団しBS活動を始める。しばらくして、戦争に入り、活動は停止。自身は横浜大空襲で足を負傷し、無念の思いで終戦。48年から弘明寺で歯科医院を始める。仕事の傍ら、BS横浜第15隊を発足させ、「カマボコ兵舎で集会を開き、物がない中、工夫して頑張った」と振り返る。55年から第1団に加わり、バス5台でキャンプに出掛けたことやBSの全国大会や世界大会に救護担当として参加したことを懐かしむ。
〇…子どもを連れて歩く時は、きちんと整列し、歌いながら弘明寺商店街を歩くこともあった。「あいさつを大事にし、人格形成につながれば」との思いで活動を続ける。「学校教育の手伝いをできるようにしたい」と強く願っているだけに、最近の子どもが「気を付け」や「休め」などの基本的なことができなくなりつつあることを「残念だが、仕方ない」と嘆く。「形にはめるだけではなく、楽しくやりたい」とも話し、時代や保護者の考え方によってBS活動も変えてきた。
〇…歯科医時代は南小の校医を50年間務め、歯科医師会の広報として昼休みにテレビ出演するなど、多忙だった。「よくそんな時間があったなあ」と笑う。80歳を過ぎても診療を続け、5年前に引退。7月12日に行われた受章祝賀会には、ビーバー隊などで面倒を見ていた人が多く集まった。「何十年経っても来てくれる。それが一番嬉しい」。しみじみと語る「隊長」はいつまでも現役だ。
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